20日付工商時報によると、台湾メーカーによるノートパソコンの生産台数は、今年初めて通年で1億台の大台に乗る見通しだ。ノートPCの世界市場全体の出荷台数は第2四半期に約50%伸びるなど、台湾のOEM(相手先ブランドによる生産)、ブランドメーカーに追い風が吹いている。
広達電脳(クアンタ・コンピュータ)、仁宝電脳工業(コンパル・エレクトロニクス)など、5大OEM(相手先ブランドによる生産)メーカーによる上半期の生産台数は3,394万台。上半期と下半期の出荷比率が通常4対6で、これに自社ブランド製品を合わせれば、通年で1億台に乗る見通しだ。
聯想の成長で恩恵期待
IT(情報技術)専門の調査会社IDCが19日発表した、第2四半期の世界市場のパソコンの出荷台数は5,880万台で、昨年同期比で12.5%成長した。米ガートナーの発表では6,110万台で、成長率は11.2%。ノートPC価格は引き続き低下傾向にあり、出荷台数は5割増と、いまやパソコン市場のけん引役になっている。
IDCは上半期のパソコン市場は予想を上回る好調な伸びを示したとして、その理由として米国とアジア市場の高需要を挙げている。最も成長力が高いのはアジア市場で、このメリットを受ける中国・聯想集団は第2四半期、宏碁(エイサー)から世界3位の座を奪い返した。聯想は今後、コンシューマノートPC市場の開拓を計画しており、仁宝や広達、緯創資通(ウィストロン)などへのOEMを進めるとみられるため、聯想のシェア拡大は台湾メーカーにとってもメリットが大きい。
工商時報は、ウインドウズ・ビスタの普及や、インテル、AMDによるCPU(中央演算装置)値下げなどにより下半期のノートPC業界の見通しは明るく、上流・下流の関連産業も恩恵を受けるとしている。