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作成日:2009年7月8日_記事番号:T00016457
マクドナルドとドミノピザ、揚げ油からヒ素検出!

台北県政府は7日、6月21日に台北県土城市、永和市の大手ファストフードチェーン7店舗から採取した揚げ油の品質検査結果を発表した。それによると、7店舗すべての揚げ油から、発がん物質のアクリルアミドが検出されたほか、3店舗の揚げ油に、許容量をはるかに超えるヒ素が含まれており、消費者に大きな衝撃を与えている。
今回調査対象となったのは、マクドナルド(3店舗)、ケンタッキーフライドチキン(2店舗)、ナポリピザ(拿坡里披薩)とドミノ・ピザ(台湾達美楽)各1店舗。6月の調査で、これら業者は揚げ油を3~14日連続使用していることが発覚し、食の安全性が問題になったばかり。
揚げ油からヒ素が検出されたのは、マクドナルドの土城市金城店(0.923ppm)と同中央店(1.038ppm)、およびドミノ・ピザ永和市中正店(1.105ppm)。行政院衛生署によると、食用油のヒ素許容量は0.1ppm。これら3店舗の揚げ油にはなんとその9~11倍ものヒ素が含まれていたというわけだ。
ヒ素は毒性が非常に強く、免疫力を低下させ、皮膚がんや肝臓がん、ぼうこうがんなどを引き起こす発がん性物質。台湾では1950年代末に南西部沿岸で、井戸水に含まれたヒ素によって下肢が壊疽(えそ)を起こす風土病「烏脚病」が流行したこともある。
衛生署は、油そのものにヒ素が混入されていたか、あるいは食品を油で揚げる過程で汚染された可能性が高いと指摘。林口長庚医院の臨床毒物科医師は、「ひどすぎる!本当にヒ素が検出されたのなら、即刻閉店すべきだ」と語った。
マクドナルドによると、同社もまた、県政府が検査したのと同じフライヤーの揚げ油を、スイスに本部を置く世界最大級の分析検査機関、台湾SGS(台湾検験科技)に委託して検査した。その結果、ヒ素やアクリルアミドは検出されなかったという。県政府が検査を委託したのは食品分析大手の台美検験科技(スーパー・ラボラトリー)で、両者の検査結果は大きく食い違っている。今後、マクドナルドが県政府に再検査を要求するかどうかが注目されるところだ。