ワイズコンサルティング・グループ

HOME サービス紹介 コラム グループ概要 採用情報 お問い合わせ 日本人にPR

コンサルティング リサーチ セミナー 経済ニュース 労務顧問 IT 飲食店情報

揚げ油からヒ素検出、「シロ」か「クロ」か?


ニュース 社会 作成日:2009年7月9日_記事番号:T00016486

揚げ油からヒ素検出、「シロ」か「クロ」か?

 
 昨日は台北県下のマクドナルドとドミノ・ピザ(台湾達美楽)で、揚げ油からヒ素が検出されたニュースをお伝えしたが、本日はその続報。検出結果の真偽をめぐり、台北県政府と業者が真っ向から対立しているのだ。

 台北県政府は7日、6月21日に抜き打ち調査で採取した両チェーン店の揚げ油から、基準値をはるかに超える(9~11倍)ヒ素が検出されたと発表し、消費者はもちろん、ファーストフード業界全体を震撼させた。

 しかし、マクドナルドは「微量の銅は検出されたものの、ヒ素は未検出」という、自社の分析検査結果を発表。あくまでも「シロ」を主張している。

 県政府が委託したのは、2001年設立の食品分析大手「台美検験科技(スーパー・ラボラトリー)」。マクドナルドが委託したのは、台湾で50年以上の歴史と15の実験室を持つスイス系世界大手「台湾SGS(台湾検験科技)」。両社は目下、互いに相手の検査にミスがあったと批判し、自社検査の正当性を主張している。

 もし、検査した油が同じものでなければ、結果が食い違うのは当然のこと。マクドナルドの揚げ油について、台美は「黄褐色」、SGSは「澄んでいた」と証言していることから、マクドナルドが台湾SGSに持ち込んだ揚げ油は、県政府が採取したものとは異なる可能性も指摘されている。

 体重50キロの成人の場合、フライドチキン1つ(約200グラム)で1日のヒ素許容摂取量をオーバー。それ以上食べると慢性中毒になる可能性が高い。今回のヒ素検出を受け、マクドナルドの売上高は、台湾全土で平均1割落ちているという。

 国際的な大手ファーストフードチェーンでさえこのありさま。衛生局は、屋台のフライドチキンなどを次回の検査対象とする方針だというが、一体どのような結果が待ち受けていることやら。