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作成日:2009年7月10日_記事番号:T00016514
林志玲が申告漏れ、追徴課税1千万元以上か

薄化粧に白いブラウスの清楚ないでたち。台湾のトップモデル、林志玲が9日、台北市国税局に現れた。「本人自ら出向くとは思わなかった」と、有名人が突然職場に出現した国税局員たちは大騒ぎだ。
彼女が国税局を訪れたのは、03~05年度の個人所得税について申告漏れを指摘され、追徴課税の処分を受けたため。この日は弁護士とともに自身の仕事や所得状況について、約1時間にわたって説明したという。
多くの芸能人やタレントの例にもれず、林志玲の申告漏れは、所得に対する国税局との解釈の相違が原因。彼女は自身の所得を「パフォーマーの業務執行所得」として申告していたが、国税局はこれを「給与所得」とみなした。追徴課税額は1,000万台湾元(約2,800万円)以上とみられている。
台湾の税制では、「パフォーマーの業務執行所得」の場合は、利益から45%の必要経費を差し引くことができ、課税対象は残りの55%となる。給与所得の場合は7万5,000元が控除されるのみだ。
例えば、林志玲の年収を8,000万元と仮定した場合、「パフォーマーの業務執行所得」として計算すると、45%の必要経費(3,600万元)を差し引いた残り4,400万元に対して課税される(税率は40%)ので、納税額は1,760万元。給与所得と見なした場合の納税額約3,200万元とは、1,440万元もの差が出る。
林志玲はモデル事務所、凱渥模特児経紀公司(キャットウォーク)に所属。テレビ出演などの仕事は事務所が契約しているので、彼女の収入は事務所からの「給与」である、というのが国税局の判断だ。事務所を通さず個人で契約して得た収入なら、自由業所得となる。大半の芸能人やタレントが、事務所と契約せず個人オフィスを構えるのもそのためだ。
自ら国税局に出向いて嘆願したものの、残念ながら彼女の主張が認められる可能性は2割ほどだとか。トップモデルの魅力もお役所には通用しないようだ。