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作成日:2009年7月13日_記事番号:T00016545
消えゆく台湾ドラマ、ゴールデンは海外作品だらけ

ゴールデンタイムの午後8時台、テレビをつければ韓国や日本、中国のドラマが目白押しだ。特に地上波テレビでは、こうした外国ドラマに押されて、台湾ドラマは影が薄い。
例えば、今年1~7月における地上波テレビ4局で8時台のドラマを見ると…。台湾電視(台視、TTV)では、なんと7本すべてが韓国ドラマ。中華電視(華視、CTS)で7本のうち4本、中国電視(中視、CTV)では4本のうち2本と半数、民間全民電視(民視、FTV)だけが、同時間帯に海外ドラマを放映しておらず、スタートから1年を超える台湾ドラマ「娘家」を放送中だ。
しかしゴールデンタイムのドラマ全体でみると、地上波4局計19本のうち、台湾ドラマは7本(37%)と外国ドラマの12本(63%)に圧倒されている。台湾ドラマの減少は、不景気や制作コスト削減が原因だという。
これに危機感を持った国家通訊伝播委員会(NCC)は、台湾ドラマの比率を増やすよう新たな規定を設ける方針だ。台湾の現行法では、テレビ番組の自国制作率は7割と規定されているが、番組の種類は規定されていない。各局ともニュースやバラエティ番組を合わせれば7割は超えるため、新たに「8時台のドラマ」と規定される見通しだ。
台視はドラマの制作が間に合わず、昨年末から韓国ドラマを連続して放送していたが、今月20日からは自社制作の時代劇がスタートする。中視は現在、自社制作ドラマを撮影中。華視も5本の自社制作ドラマの計画が進んでいるという。
NCCは「中国や韓国、フランス、カナダでは、ゴールデンタイムにおける海外ドラマの放送を禁止する規定があり、自国制作のドラマを放送することは、自国文化の保存にもつながる」と説明する。ともあれ、視聴者のお眼鏡にかなう面白い作品がそろえば、自然と「台湾製」の率も高まると思うのだが。