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コンパル、中華映管と資本提携


ニュース 電子 作成日:2009年7月17日_記事番号:T00016691

コンパル、中華映管と資本提携

 
 ノートパソコン受託大手の仁宝電脳工業(コンパル・エレクトロニクス)は16日、中堅液晶パネルメーカーの中華映管(CPT)が実施する約100億台湾元(約286億円)の第三者割当増資案で、70%を引き受けを決定したと発表した。コンパルの出資率は19.9%で、大同集団の27%に次ぐ第2株主となる。今回の資本提携は、パネルの調達先確保を目指すコンパルと、出荷先を確保した上でIT(情報技術)製品用および中小型に特化し、業界での生き残りを図る中華映管の思惑が一致して実現した。17日付工商時報などが報じた。
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 中華映管は今回の増資で、40億株を上限に1株2.5元で普通株を発行する。このうちコンパルの出資分は約70億元。コンパルは、董事会には役員を派遣するが、中華映管の経営を主導する考えはないとしている。

新世代ラインは設置せず=中華映管

 大同集団の林郭文艶・執行副総経理は同日、工商時報のインタビューを受け、「昨年の金融危機発生による景気低迷を経験し、パネルメーカーにとって需要と稼働率の低下がいかに経営に多大な影響を与えるかが分かった」と話し、「一方、組み立てメーカーは景気が良いときにパネルが調達できないことに大きな懸念を持っており、両者の提携により景気変動のリスクを抑えることができる」とコンパルとの戦略提携のメリットを強調した。

 その上で、パネル業界で生き残る上で、生産能力の拡充競争に加わることは決して得策ではないとの認識から、今後はIT製品用・中小型パネルの生産に専念し、当面、新世代の生産ラインを設置する考えはないと語った。

 また、中華映管はこれまでIT製品向けでは液晶モニター用パネルに生産を集中させていたが、コンパルとの提携による今後のノートPC用パネルの出荷拡大への期待を語った。さらに顧客層の拡大を目指し、コンパルが出資し、低温ポリシリコンTFT(LPTS)ディスプレイなどの技術を持つ中小型パネルメーカー、統宝光電(トポリー・オプトエレクトロニクス、TPO)との提携強化も視野に入れていると表明した。

パネル不足は長引く=コンパル総経理

 一方、パネル産業に対する先行き予測の正確さに定評のある、コンパルの陳瑞聡総経理は、「ノートPCパネルの供給不足を短期間で解消することは難しい」との見方を示した上で、「中華映管の持つ生産ラインは4、4.5、6世代とすべてノートPCおよび低価格ノートパソコン(ネットブック)用パネルの生産に適しており、提携により当社は安定したパネル供給を確保できる」と提携決定の理由を語った。

 ただ、両者の提携に対し、合理性に疑問も声も上がっている。中堅液晶パネルメーカー、瀚宇彩晶(ハンスター)の幹部は、「中華映管の持つ4.5世代工場は5世代工場に、6世代工場は7、8世代工場による圧力を受けるため、競争力が高いとは言い難い」と述べ、コンパルの投資は「割に合わない」との見方を示した。

【表】