今世紀最大規模となる皆既日食が、2日後の7月22日に迫った。今回、部分日食となる台湾では、80%近くまで欠けた太陽を見ることができるが、太陽が完全に隠れる姿を見ようと中国へ赴く天文ファンも多い。
22日に完全な日食を観測することができるのは、中国や日本の一部のほか、インド、ネパール、バングラデシュ、ブータン、ミャンマーなど「皆既日食帯」に当たる地域。
そのうち台湾から最も近いのは、中国長江流域の成都や重慶、武漢、蘇州、杭州、上海などの都市で、最長6分39秒、平均5分以上の皆既日食を観測することが可能だ。
中国への日食ツアーを企画した東南旅行社では、当初の3ツアーから急きょ10ツアーへ増やすほ
どの人気ぶりで、中国時報旅行社でも19日、6ツアー約200人以上が中国へ出発した。夏休みということもあって、親子での参加が多く、旅行業者は思わぬ日食フィーバーににんまりだ。
また、「歩ける天文学者で中国へ行かない者はいない」と言われるほど、専門家もこぞって訪中する。中台の天文学会が杭州で開くシンポジウムには、台湾の天文学者30人が出席する予定だ。
一方、台湾でも多くの観測イベントが各地で開催され、約20万人が約2時間半の天体ショーを見守る予定だ。ちなみに、当日台北では午前8時23分ごろから太陽が欠け始め、9時40分ごろピークを迎え、11時5分ごろ元の姿に戻るという。今回を逃すと台湾で次に皆既日食が見られるのは、約3年後の2012年5月21日になるそうだ。
なお、実際に皆既日食を体験できない人も、がっかりする必要はない。台湾嘉義市天文協会や、台北市立天文科学教育館のインターネットサイトで、皆既日食の実況中継を楽しむことができる。
台湾嘉義市天文協会
http://www.atlaspost.com/2009tse
台北市立天文科学教育館
http://www.tam.gov.tw/cgi-bin/SM_theme?page=4a569f1f