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警備体制は大丈夫?総統府に中年女性が侵入


ニュース 社会 作成日:2009年7月22日_記事番号:T00016752

警備体制は大丈夫?総統府に中年女性が侵入

 
 馬英九総統が中米友好国歴訪に出発した翌日の6月30日、一般の中年女性がノーチェックで総統府に侵入し、半時間にわたって内部をうろついていたことが分かった。女性はおとがめなしで解放されており、総統府の警備体制のお粗末さに驚きの声が上がっている。

 この女性は、台北県三重市在住の曽璦慧さん(52)。自称「国策小顧問」の彼女は、1996年以降65回も総統府へ陳情に訪れている陳情魔。隣人によると、2年前まで三重市役所兵役課に勤めていた曽さんは、近所づきあいをほとんどせず、総統府や行政院への陳情に明け暮れているとか。

 この日、曽さんが台北市博愛路に面した4号門から総統府内部に忍び込んだのは午前7時43分ごろ。4号門には警備に当たる憲兵がいたが、総統府内部の工事のために作業員が多数出入りしており、曽さんは彼らに紛れてノーチェックで通過したようだ。

 彼女はその後、エレベーターで5階へ移動し、誰にも見とがめられることなく約半時間も内部をうろうろしていたらしい。出勤してきた国家安全会議(国安会)の職員が彼女を見つけ、不審に思って尋ねると、「私は国策顧問よ。小顧問事務室はどこ?」と答えたという。

 国安会職員はすぐに警備員に通報したが、警備員は上司への報告も、警察への通報もせずに、そのまま女性を帰宅させた。事件は報告を受けた憲兵司令部が調査に乗り出し、関係者に対する処罰が行われたのは、事件から10日もたった7月10日のことだった。

 総統府各所で第一線の警備を担当するのは憲兵211営で、出入り口には武装した憲兵を配置し、3人1組のパトロールチームで総統府周辺を巡回。総統府内部は総統府侍衛室警衛組の管轄で、各階は監視モニターや憲兵が目を光らせ、水も漏らさぬ警戒態勢…のはずだったのだが。

 曽さんは以前にも何度も総統府へ忍び込んだことがあると自慢げに話しており、それが事実なら、総統府の警備関係者は面目まるつぶれだ。