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実は「凶宅」、奇怪事件続出のマイホーム


ニュース 社会 作成日:2009年7月27日_記事番号:T00016840

実は「凶宅」、奇怪事件続出のマイホーム

 
 シングルマザーの譚さんが、苦労してやっとマイホームを購入したのは、2007年8月のことだった。嘉義市北港路に位置するマンションで、広さは30坪、購入額は207万台湾元だった。

 ところが、譚さん母娘が入居して数カ月たった頃から、奇怪な出来事が続出した。譚さん宅に遊びに来た友人が、深夜リビングルームのソファーで眠っていると、突然金縛りに遭ったり、娘の同級生が泊まりに来た時には、壁の中から歌声が聞こえたり。

 娘の携帯に自宅から5~6通の電話が入ったこともある。「ママ、今授業中なの。何度も電話を掛けてこないで」。てっきり母親からの電話だと思った娘は、譚さんにメッセージを送ったが、譚さんは全く身に覚えがなく、しかもその時刻、自宅には誰もいなかった。

 こんな奇妙な出来事が起こっても、譚さんは気にしなかった。ところがある時、同じ住宅エリアに住む紀さんという女性と知り合ったことがきっかけで、事件の謎が次々と解き明かされた。

 実は、譚さんが購入したマンションは、もともと紀さんが住んでいた物件だった。紀さんは、夫が台所で首つり自殺を図り死亡したことからマンションを売却。この物件を150万元で購入した廖さんは、内装工事を施したした後、仲介業者を通じて譚さんに転売したというわけだった。

 殺人や自殺などが発生した事故物件のことを中国語で「凶宅」というが、譚さんがつかまされたのは、まさしくこの凶宅。マンション購入に当たって、仲介業者に「凶宅ではない」と説明を受けていた譚さんが激怒したのは言うまでもなく、裁判所に契約解除と返金を訴えた。

 一方、廖さんは「凶宅だとは全く知らなかった」と釈明。リフォーム代や税金などに約50万元を費やし、コストだけでも約200万元になるというが、転売による利益を目論んだことは想像に難くない。

 注目された裁判所の判断は、「凶宅」を「一般の社会大衆の心理面に嫌悪感を引き起こす、居住に不適切な重大瑕疵物件に当たる」と認め、不動産取引の契約解除は認められるとして、廖さんに207万元の返金を命じた。

 ちなみに、自殺した紀さんの夫は生前、歌を好み、娘と話をすることも好きだったという。