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バスを持ち上げる人々、タイヤ下の婦人を救助


ニュース 社会 作成日:2009年7月28日_記事番号:T00016869

バスを持ち上げる人々、タイヤ下の婦人を救助

 
 陳恵美さん(71)は27日午前、台北県瑞芳鎮にある次男が開業した歯科診療所で歯の治療を終えて、バスで台北に戻ろうと瑞芳駅前のバス停へと歩いていた。

 基隆客運のバスがやってきたため慌てて足早にバスを追い掛けたが、バスと近づき過ぎたのだろうか、接触して転倒。うつ伏せに倒れ、左腕がバス後輪の下敷きになってしまった。悪夢のような出来事に、陳さんは大声で周りの人に助けを求めた。

 陳さんがバスにひかれたてん末は、バス停にいた多くの人が目撃しており、即座に通報された。ドライバーの呉暁鵬さん(28)や乗客は、重量を減らすためすぐにバスを降りた。

 消防や警察は当初タイヤを外し、大型クレーンでバスを吊るす考えだったが、危険が伴うことや時間がかかることから断念。そのとき、現場を取り囲んでいた民衆から「バスを持ち上げよう」という声が起こった。

 そこで瑞芳消防分隊が、バスが横転しないよう小型クレーンでバスを固定。警察や消防、乗客、通行人約20人が「1、2、3」の掛け声で、力を合わせてバスを持ち上げた。4~5回も繰り返すと、バスのタイヤが10センチメートルほど浮き上がり、陳さんは無事助け出された。

 すぐさま瑞芳医院に運ばれた陳さんの左腕の傷は、幸運なことに「軽傷」だった!医師によると、腕はバスにひかれタイヤの下敷きになったのではなく、タイヤに挟まれた状態だったのだろうとのこと。奇跡的に軽傷で済んだのは不幸中の幸いだった。陳さんは糖尿病を患っているので、もし時間が長引いていれば、腕が壊疽(えそ)した可能性もあったという。

 瑞芳という小さな街で、展開された約30分の救出劇。陳さんは「本当に感激しました。生涯忘れないわ」と人情味あふれる人々に何度も感謝の気持ちを表した。