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作成日:2009年7月29日_記事番号:T00016898
小中学校で財テク教育、9月から試験導入

「力宏君(14歳)のお小遣いは朝食代を含めて1週間400台湾元です。MP3プレーヤー(2,000元)とカメラ付き携帯電話(3,000元)が欲しいのですが、お金を貯めようと朝食を抜いたら、空腹で目まい。授業に身が入らなくなってしまいました。そこでちゃんと朝食を食べることにしたら、なかなかお金が貯まりません。どうすればよいのでしょう?」
2年後の2011年から、台湾全土の小中高校で「理財(財テク)」の授業がスタートする。この力宏君の話は、行政院金融監督管理委員会(金管会)が編さんした中学生向け教材の一例だ。14年からは、高校進学のための共通テスト、「国民中学学生基本学力測験(基測)」の社会科の出題範囲にも「理財」が含まれる。
教育部によると、「理財」の授業は計6時間で、社会科や総合活動の中で行われる。2年後の実施に先駆け、今年9月から台北市と苗栗県のテスト中学各3校で、教師10人以上による授業が試験的に始められるという。
実は金融、貯蓄、保険関連の知識は、公民や社会、家庭科などの授業の中で既に教えられているが、近年、振り込め詐欺やクレジットカードローンに関するトラブルなどさまざまな金融事件が多発していることを受け、早期教育の必要性が重視されるようになった。
これに対して保護者からは賛否両論が出ているようだ。賛成派は「子どものころから理財の観念を持つことは良いことだ」ともろ手を挙げて賛同している一方、「小中学生はまだ早過ぎる」「各家庭の貧富の差が表面化する」と心配する反対派も多いとか。
金管会は、児童や生徒に正しい消費や貯蓄、投資、理財の知識を与えることは、間違ったお金の使い方が引き起こす社会問題を防ぐのにも役立ち、経済発展にも役立つと強調する。理財教育がどれほどの効果を生むか楽しみだ。