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作成日:2009年7月30日_記事番号:T00016952
ECFA、従来型産業が打撃を懸念
「両岸経済協力枠組み協議(ECFA)」締結の台湾経済への影響の評価報告が経済部から発表されたことを受け、30日付経済日報は各産業界の反応を伝えた。石油・化学や自動車など恩恵が期待される業界からは、歓迎の意見が出た反面、タイルやタオルメーカーなど従来型産業からは、ダメージが大きいとして関税引き下げ対象から除外するよう求める声が上がった。
台湾塑膠工業(フォルモサ・プラスチックス)の李志村董事長は、「ECFAは最短時間で締結できなければ、台湾石化産業へのダメージが相当大きくなる」と語り、石化産業は利益率が良くても5~10%という「薄利時代」となっている中、「関税面で不利に立たされれば、ライバルの日本、韓国に太刀打ちできない」と危機感を示した。
台湾区車両工業同業公会の陳国栄理事長は、「台湾と中国の市場規模は1対50と大きな開きがあり、ECFA締結によって年産能力60万台の台湾メーカーに、年1,000万台規模の市場が手に入る」とメリットを強調した。ただ、関税引き下げに関しては「1対10」の割当制度を導入すべきとの考えを示し、台湾が中国から輸入する自動車1台をゼロ関税とした場合、台湾から中国へは10台をゼロ関税とするものだと説明した。
一方、台湾区陶瓷工業同業公会の林栄徳理事長は、ECFA締結は一部産業にとってのみメリットがあり、多くの産業にはダメージが大きいと指摘した上で、タイルなどは少なくとも10年は中国製品の輸入を開放せず、その間に政府は台湾製品のブランド価値向上に対し支援を行うべきとの考えを示した。