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AUOが華北にモジュール新工場、ハイアールに供給


ニュース 電子 作成日:2009年8月3日_記事番号:T00017011

AUOが華北にモジュール新工場、ハイアールに供給

 
 液晶パネル最大手の友達光電(AUO)が、傘下の液晶テレビ受託組み立てメーカー、景智科技とともに、中国・華北に液晶テレビ用パネルのモジュール工場の設置を計画しており、早ければ今年第4四半期に着手する。中国家電最大手、海爾集団(ハイアール)からの受注対応が目的とみられ、AUOは中国市場で奇美電子(CMO)を抜いて、テレビパネル供給最大手を目指す。3日付経済日報が報じた。
 
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 彭双浪AUO執行副総経理によると、華北の液晶テレビ用パネルモジュール工場は投資額数億台湾元(1元=約2.9円)、蘇州、アモイ、四川に続いて中国で4カ所目となり、華東、華南、中西部、華北と地域バランスを取れるメリットもある。

 AUOはハイアールの受注を獲得することで、景智の来年の出荷台数を200万台以上に倍増させ、液晶テレビの受託製造で世界10位以内のメーカーに成長させたい考えだ。なお、彭執行副総経理はハイアールとの取引について、特定企業については回答しないとコメントを避けた。

 AUOは今年、中国市場向けのパネル出荷が前年同期比で4~5倍の大幅成長を遂げ、出荷全体に占める割合が昨年の8%から20%に拡大した。現在、中国パネル市場では奇美電がシェア35~40%の供給最大手で、AUOは追い上げを図る方針だ。中国液晶テレビ市場は今年上半期、前年同期比で65%成長し、通年販売台数の予測値は2,400万台に上方修正された。2011年には世界最大の市場になると予想されており、大きな商機が見込める。

 AUOはこの6月、中国2位のテレビメーカー、四川長虹電器と四川省綿陽市に後工程モジュール(LCM)工場を設立すると発表した。初期の年産能力300万枚の同工場について彭執行副総経理は、将来的に四川や湖北の別のテレビメーカーへの供給も視野に入れていると明らかにした。

CRTの切り替えが加速
 
 彭執行副総経理は、液晶テレビの今年の世界全体の市場規模見通しが年初の1億1,000万台から1億2,500万台規模に上方修正された主な理由として、ブラウン管(CRT)からの切り替えが加速していることを挙げた。また、米国市場だけで3億5,000万台、中国市場では4億~5億台の切り替え需要が依然あり、市場規模は大きいと指摘した。

 さらに、買い替えを促す要因として、液晶テレビの価格が32インチ型で2003年当時から5分の1に下落した上、画質を含め技術レベルが不断に向上してきたこと、およびブルーレイディスクプレーヤーの普及が進んでいることを挙げた。

 上半期、液晶テレビ販売は米国で25%、欧州で35%、日本で34%伸びた。米国は不況で旅行などに出掛ける代わりに家でテレビを見る人が増えたことで需要が高まった。65%の伸びを記録した中国では、政府による家電製品の普及プロジェクトが成長を後押しした。
 
【表】