台風が近付くと多くの人が関心を寄せる話題といえば、「学校や公共機関が休みになるかどうか」。民間企業もこれを目安に休みを決めるところが多いためだ。どの県市が台風休みを決めたかは、行政院人事行政局のサイトで一目で分かる。
台風8号(アジア名、モーラコット)の台湾上陸が確実となった6日、インターネット上では早々の午後1時すぎから「7日は台風休み」という情報が素早く広がった。これに人事行政局はびっくり。というのも、各県市の台風休みの発表は、早くてもだいたい午後6時ごろだからだ。
実はこの台風休みを発表したのは、人事行政局の偽サイト。多くのネットユーザーが、本物そっくりのこのサイトを見て、政府発表の情報だと信じてしまったのだ。
偽サイトのURLには、政府機関のサイトに必ず付く「gov.tw」がなく、政府サイトではあり得ないアダルトサイトの広告がリンクされていたが、それでも皆、気付かなかったのだろうか。
偽サイトの出現に慌てた人事行政局は、早速警察に通報し、市民の誤解を解くべくニュースリリースを発表。偽サイトは問題が拡大する前に削除されたが、人事行政局は刑事責任を追及する構えで、「公文書偽造、変造罪」で1年以上7年以下の懲役刑が下される可能性も。
警察の調べによると、偽サイトのIPアドレスは香港のもの。しかし、サイト自体が既に存在しておらず、さらなる追跡調査は困難なようだ。
偽サイトのフライング発表に踊らされたとはいえ、結局7日は金門県を除いて台風休みに。事なきを得た。
行政院人事局
http://www.cpa.gov.tw/