ニュース 家電 作成日:2007年7月25日_記事番号:T00001718
華碩電脳(ASUS)は24日、デジカメ大手の佳能企業(アビリティ・エンタープライズ)との戦略的提携を発表した。華碩がオプトエレクトロニクス分野に進出するのは初めて。同社が目標とする鴻海精密工業は、昨年業界最大手の普立爾科技(プレミアイメージ・テクノロジー)を買収しており、この分野でも対抗していこうという意図がうかがえる。
華碩は28億台湾元で3,000万株の自社株を新発行し、佳能の5,100万株と交換する。交換比率は自社1株に対し佳能1.71株で、合併基準日は9月13日。これによって華碩は佳能の最大株主となるが、出資比率は13%にとどまる。この理由について童子賢華碩副董事長は、「相思相愛であれば、必ずしも100%を保有する必要はない。重要なのは十分な協力ができることだ」と語った。華碩は今後佳能に新董事長を派遣する。現在9席の董事も、華碩の幹部3~4人が就任する。
提携を発表する施崇棠華碩董事長(左2)ら。
「華碩にとってプラス効果が高い提携」とア
ナリストからも好感されている(24日=中央社)
日系企業との関係拡大に期待
デジカメOEM(相手先ブランドによる生産)業界は現在、普立爾科技を買収した鴻海が首位で、2位の座を華晶科技(アルテック)と佳能が争っている。佳能の主要顧客はカシオ、サムスン、ニコンなどだが、来年から富士写真フィルム向けの出荷開始も決まっており、今年通年の目標出荷台数は1,000万台、来年は2,000万台と、当面は成長戦略が描けている。
華碩はこれら佳能の顧客メーカーとの関係強化も期待しており、施崇棠董事長は、「特に日本との人脈が豊富なので、日本の大手メーカーからの受注を見込みたい」と語った。また、提携決定によってデジカメ分野を「さらに攻撃的に展開できる」とし、25日経済日報によると「ASUS」ブランドのデジカメも計画している。
大手傘下で成長狙う
25日付工商時報は、佳能が事実上華碩の傘下に入る決定を行ったのは、鴻海やフレクストロニクスなど、大手EMS(電子機器受託生産サービス)がデジカメ分野に相次いで参入する中、将来にわたって競争力を維持するための選択だったと報じている。華碩と佳能の提携で、デジカメ大手は華晶だけが単独で残される形になり、同社は大手グループの挟撃の下で、どのような生き残り戦略を立てるのか注目が集まりそうだ。
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