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中油第6ナフサが着工、13年に量産へ


ニュース 石油・化学 作成日:2009年8月12日_記事番号:T00017213

中油第6ナフサが着工、13年に量産へ

 
 台湾中油が第3ナフサ分解プラント(通称三軽・高雄県林園郷)を更新し、第6ナフサプラント(通称六軽)を建設する計画が11日、着工を迎えた。新プラントは2013年に量産開始の予定。総投資額は469億元(約1,372億円)。施顔祥中油董事長によると、同計画は台湾南部の石油化学産業において過去15年で最大の投資となる。完成すれば今後操業停止が予定されている第3ナフサ、第5ナフサに代わり、川下石化メーカーに対する原料の安定供給に貢献することになる。12日付経済日報などが報じた。
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年産量は最大100万トンも

 施董事長は、第6ナフサの年産能力は60万トンで最高82万トンまで引き上げることが可能だと説明した。しかし中油関係者が非公式に明かしたところによると、第6ナフサ操業開始2年後にボトルネック除去作業を行って生産効率を高める予定で、その後同プラントは年産100万トンまで生産を拡大することができる。これは、台湾塑膠工業(フォルモサ・プラスチックス)の林園プラント、国喬石油化学(グランド・パシフィック・ペトロケミカル)、台湾スチレンモノマーなどが生産能力を拡充しても十分な量の原料が可能な水準だとしている。

 なお、台湾塑膠工業も「六軽」の名称で知られるナフサプラントを雲林県麦寮郷に保有しているが、これは「台湾で6基目のプラント」の意味で、中油の「六軽」は「中油傘下で6基目」という意味だと施董事長は説明した。

 また高雄製油所(高雄市楠梓区)の移転について施董事長は、計画通り15年に石油製品および石化原料の大部分を、同社傘下の国光石化科技(KPTC)が彰化県大城郷に建設する大型石化プラントでの生産に回し、一部の石油精製工程のみを高雄市大林埔に移転すると語った。

国光石化、15~16年量産を予定

 国光石化の大型石化プラント計画について施董事長は、「来年上半期には環境影響評価の審査を通過させ、15~16年に量産に入りたい」との意向を示した。その上で、川下メーカーに対し、垂直統合が実現した石化園区を形成するため、ともに彰化県大城に進出するよう呼び掛けた。

 しかし、中油の第6ナフサは計画から着工まで15年を要したことから、国光石化の新プラント完成はいつになるか分からないという懸念もあり、長期にわたり原料不足に悩まされる台湾の石化業界では、中国福建省泉州市に設立が予定されている台湾企業専用の石油化学団地への進出を検討するメーカーもあるようだ。

【図】