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土石流被害5日目、進まぬ救助にいらだち高まる


ニュース 社会 作成日:2009年8月13日_記事番号:T00017215

土石流被害5日目、進まぬ救助にいらだち高まる

 
 台風8号(アジア名・モーラコット)で発生した土石流で壊滅的な被害を受けた、高雄県楠梓仙渓沿いの甲仙郷小林村や那瑪夏郷などでは、被災から5日目を迎え、いまだ家族の安否が確認されていない住民たちの間にはいらだちが強まっている。
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12日、小林村民らの避難所を視察に訪れた馬英九総統(左)。マイクで被災者に語りかけたが、「話しはいいから早く助けろ」とやじが飛んだ(12日=中央社)
 
 山間部に取り残されている生存者に対し、連日ヘリコプターによる救助活動が続けられているが、13日付自由時報のまとめによると、高雄県では依然那瑪夏郷を中心に約4,100人が閉じ込められたままとなっている。また、行方不明者も主に小林村で300~500人に上る。

 避難所となっている旗山中学校などでは、軍・警察や政府関係者に対し住民が「急がなければ、死んでしまう」と大声で訴える場面が見られ、衝突も起きた。那瑪夏郷の住民によると、救援を待っている生存者の中には重病の患者もおり、酸素やインシュリンの空中投下を要請したが、1日待っても患者の手に届かず、効率の悪い救援体制に「必要物資の連絡が上まで上がっていない」「これ以上待たせるなら、死体用の袋を送れ」などと怒りの声が上がっている。
 
 このほか、豪雨により交通網に深刻な被害が生じた嘉義県阿里山郷では、依然6,000人以上の住民が山間部に閉じ込められたままとなっている。住民が電話などで外部に伝えた情報によると、ヘリコプターによる救援物資の投下に偏りが生じており、郷内4村ではこれまで一度も投下を受けておらず、食糧などの不足に懸念が高まっている。

 軍関係者は、同エリアは標高が高く、天候が変わりやすいため、低空飛行による任務が難しいと説明した。