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台風8号の大被害、異常気象が原因?


ニュース 社会 作成日:2009年8月17日_記事番号:T00017275

台風8号の大被害、異常気象が原因?

 
 台湾南部に過去50年で最大とされる被害をもたらした台風8号(アジア名・モーラコット)。救助活動の遅れなど政府の対応に批判が相次ぐ中、今回の台風8号は、まるで秋台風のようにスピードが遅く、そのために大きな被害をもたらしたとの見方が台湾大学大気科学系の柳中明教授から示された。一般に夏台風は早いスピードで移動し、被害は小さいという。

 柳教授は、今後さらに4つの台風が台湾を襲う可能性があると予測している。1960年代に年間平均30個だった台風の発生件数が、00年~08年には24個へと減少。しかし、台湾を襲来する台風の数は逆に増えており、00年以前は年間4.5回だったのが、00年~08年は7.1個となっている。今年、現時点までに台湾に襲来したのは、台風3、4、8号の計3個。災難は台風8号で終わりではないかもしれない。

 柳教授が参加した財団法人余紀忠文教基金会開催の台風に関する座談会では、長期的な国土計画の不十分さや、防災・救助システム、協力体制の不備に対する批判も聞かれた。「集落、橋、道路、通信システム、救助システム」の脆弱(ぜいじゃく)さが指摘され、各地の地理や環境に即した対策を取るべきとの意見も。台湾では目下、国土測量を3~5年に1度実施しているが、これでは効果がないとして、測量法の制定を望む声もあった。

 台風8号の進路予測は、米国や日本よりも正確だった台湾の気象局だが、降雨量の予測ミスが災いし、大きな被害を招く結果となった。政府の危機管理も含め、今後の課題は山積みのようだ。