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作成日:2009年8月17日_記事番号:T00017294
台湾東洋薬品への仮差押命令、知財裁判所が破棄
台湾東洋薬品工業(TTYバイオファーム) が米イーライリリーの抗がん剤「ジェムザール(GEM、中国語名・健択)」の特許を侵害したとして、イーライリリーの訴えにより桃園地方法院から注射剤に対する仮差し押え命令を受けた裁判で、智慧財産法院(知的財産裁判所)はこのほど東洋薬品の抗告を認めて仮差し押さえ命令を破棄した。17日付工商時報が伝えた。
東洋薬品は「ジェムザール」の主成分ゲムシタビンを中国から輸入し、「健仕注射剤」という名称で注射剤を病院に販売している。イーライリリーはこれが特許侵害に当たるとして東洋薬品を提訴し、現在台湾高等法院で審理中だ。また、台北地方法院に対し、東洋薬品の同薬品の使用と販売の禁止を求めた仮処分請求では、一審、二審ともに主張が認められた。
しかし、東洋薬品は裁判所の判断を不服として花蓮の病院などへの販売を継続。イーライリリー側は、東洋薬品は仮処分命令に違反したとし、特許侵害の事実が認められた際に東洋薬品が賠償金の支払いができない事態を回避するため、同社商品8,000万台湾元(約2億3,000万円)までの仮差し押さえを桃園地裁に申し立て、昨年1月に認められていた。
智財裁は命令破棄について、「裁判が終了しておらず、どちらが正当かは未定だ。また、東洋薬品は資本金9億元を超える店頭公開企業であり、損害賠償が不可能になるとは認め難い」と判断の理由を説明した。