ニュース 社会 作成日:2009年8月27日_記事番号:T00017544
新型インフルエンザ(H1N1型)が本格的な流行期に入り、企業も対応に追われている。現段階では従業員にマスク着用を求めたり、人出の多い場所に行かないよう呼び掛けるなど、感染防止に主眼が置かれている。行政院衛生署は26日、台湾全土の感染者が4万人を超え、ワクチンの大規模接種の必要性が高まっていることを受けて、台風8号(アジア名・モーラコット)の被災者や医療関係者など、ワクチンを優先的に接種する対象者を発表した。27日付経済日報などが報じた。
感染者が出た台中一中のクラスでは全員がマスクを着用。全校で1日2回の体温測定が行われている(26日=中央社)
中油のGS従業員が感染
台湾中油は26日、南部のガソリンスタンドの従業員1人が新型インフルに感染したことを確認した。同社はこのため南部の従業員に対し、通勤時に必ずマスクを着用し、人出の多い所になるべく行かないよう指示した。
中国鋼鉄は食堂などに、発熱のある従業員や来客に出入りを控えるよう求める注意書きを張り出した。また、エレベーターの入り口に手を消毒するためのアルコールを設置した。
統一企業(ユニプレジデント)はアジア各地の全工場に、マスクや体温計を備えるよう指示。台塑集団(台湾プラスチックグループ)も第6ナフサ分解プラント(雲林県麦寮郷)の約1万人の従業員に対し、人出の多い場所に行くことを控えるよう求めた。
中華民国対外貿易発展協会(TAITRA)は、大型展示会への影響を避けるべく、200万台湾元(約574万円)をかけて赤外線体温測定機4台とマスク2万枚を購入した。
ホテル業界では、消毒液やマスクを準備しているものの、業績への影響を懸念して現段階では従業員にマスク着用を求めていない。航空会社も、現時点で空港職員に対しマスク着用までは求めていない。
学校では集団感染で学級閉鎖措置を採ったところが出ているが、行政院衛生署疾病管制局の郭旭崧局長は、企業の従業員に感染者が出ても休業措置までは求めず、休ませて自宅で治療させるべきという考えを示した。また、企業に対し自社の新型インフルへの対応策を取り決めておくよう求めた。
ワクチンの優先対象、545万本必要
新型インフルのワクチンについて、衛生署は26日、▽台風8号(アジア名・モーラコット)の被災者▽医療・防疫担当者▽妊婦▽学齢に達しない児童▽小中学生──などを接種の優先対象とすることを決定した。必要なワクチンは概算で545万本だ。
台湾域内に供給するワクチン製造を急ぐ国光生技(アディミューン)は26日、初回製造分の500万本は9月17日に生産を終え、25日から台湾大学医学院附設医院(台大医院)による人体実験に入り、10月末に初期段階の結果が出て、最も早ければ11月15日にワクチン接種を始められると明らかにした。衛生署は大規模接種向けに同社から計1,000万本を調達する予定だ。
名門高校で集団感染
26日は台中市の名門高校、国立台中第一高級中学で5人の集団感染が確認され、また、同市の小学校、大鵬国小でも1クラスで2人の感染が確認された。
衛生署によると、台湾全土の感染者は累計で4万人以上となった。重症例は26日現在47件で、このうち5人が死亡した。年齢層は15歳以下が24件と52%を占め、次いで25歳から49歳までの青壮年層が34%となっている。
対策は長期戦に
楊志良衛生署長は27日記者会見を開き、「本当に学者や専門家の言うように台湾で600万~700万人が感染するようなことがあれば、1週間に3万人感染するとしても200週間かかる」と述べ、新型インフル対策は長期間にわたるという見方を示した。ただ、新型肺炎SARSほど深刻な病気ではないという認識で、「パニックになる必要はない。台湾の防疫体制を信頼している」と強調した。
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