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ろうあ者が売る人気パン、背後に暴力団か


ニュース 社会 作成日:2009年9月1日_記事番号:T00017607

ろうあ者が売る人気パン、背後に暴力団か


 台湾各地の夜市(ナイトマーケット)で、ろうあ者が販売するミルクパンの人気が広がっている。1個10台湾元からと安い上に、味もなかなか良いとあって、障害者支援にと愛の手を差し伸べる人も多く、売れ行きは上々だ。

 この人気パンを製造するのは「沛緹麺包」(桃園県蘆竹郷)。同社は、胡培安さん(38)が、ろうあ者の自立支援のために設立した会社で、ここで働く120人のスタッフは全員ろうあ者だ。製造したパンは、屋台など台湾全土の40カ所で販売されている。

 ろうあ者の両親を持つ胡培安さんは、弟の胡培富さんとともに、ろうあ者の支援に尽力したとして、これまで何度もメディアにも取り上げられている。

 ところが8月31日、胡兄弟を含む12人のグループが、暴力団「竹聯幇竹唖堂」を結成し、恐喝や詐欺行為を行っていたとして取り調べを受けた。

 このグループは、パンの収益を横領し、パンを売るろうあ者には毎月数千元の給与を与えていただけだったとみられている。また、各地の屋台で違法にショバ代(場所代)を徴収したり、屋台主に危害を加え、商売の場所を奪っていたという。

 この嫌疑に対し、胡培安さんは「私は愛の事業を経営している」と違法性を否定。パン事業での利益はすべてろうあ協会へ寄付しており、台風8号(アジア名・モーラコット)の被災地へもパンを送ったと善意を強調した。

 また、胡培安さんをよく知る桃園県聾唖福利協進会の黎総幹事は、胡兄弟はこれまで長期にわたってろうあ者のために雇用機会を創出しており「誤解に違いない!」と擁護している。

 障害者を支援する善人が誰かに陥れられたのか、はたまた暴力団が善人の仮面をかぶり障害者を利用していたのか?真実の解明が待たれるところだ。