ワイズコンサルティング・グループ

HOME サービス紹介 コラム グループ概要 採用情報 お問い合わせ 日本人にPR

コンサルティング リサーチ セミナー 経済ニュース 労務顧問 IT 飲食店情報

液晶パネル市場、韓国勢値下げで警戒感


ニュース 電子 作成日:2009年9月11日_記事番号:T00017878

液晶パネル市場、韓国勢値下げで警戒感

 
 液晶パネル価格は今年、金融危機による谷底からの反転で上昇が続いてきたが、韓国パネルメーカーが一転値下げに転じたもようだ。韓国勢が値下げで受注攻勢ば、第3四半期に黒字転換を見込んでいた台湾勢は利益が圧迫される恐れがある。さらに、欧米、中国の第4四半期の末端市場の動向次第では、価格下落圧力が強まる可能性もある。11日付経済日報が報じた。
 
T000178781

 
 韓国パネルメーカーの値下げは、液晶モニター用パネルで6~7米ドル(7~8%)と観測されている。ただ、市場調査会社、ディスプレイサーチの謝勤益副総裁は10日、来月のパネル価格について、下げ幅はモニター用で1~2米ドルにとどまるとの見方を示した。

 あるパネル部品メーカーは、パネルメーカーの売上高、出荷量はともに9月がピークで、10月以降は下向きとなり、金融危機の発生した昨年ほどひどくはないものの、今年も第4四半期はパネル価格が下落すると予測している。パネル駆動ICメーカーも、駆動ICの生産は準備作業に時間がかかるため、他の部品メーカーより景気動向を早く察知できるとした上で、「第4四半期のパネルメーカーからの受注は確実に少ない」と指摘した。

 外資系証券会社も相次いで、中国市場の在庫の高まりによってパネル価格の反転下落の兆しが現れていると指摘している。パネル市場の景気に対する不安感から、駆動ICの聯詠科技(ノバテック・マイクロエレクトロニクス)の株価は7月下旬から既に20%近く下がり、10日は77.5台湾元(約220円)で引けた。パネル駆動ICパッケージング・テスティング(封止・検査)の頎邦科技(チップボンド・テクノロジー)もこれまでにもこれまでに 15%下げ、26.6元で引けた。

値下げ攻勢、10月から積極化?

 パネル価格の下落観測が出ている中、パネルメーカーは、中国の10月初旬の国慶節連休や欧米のクリスマスシーズンで最終製品の売れ行きがよければ、価格は下落してもペースは緩やかで、急落することはないと見込んでいる。

 ただ、韓国勢は10月からさらに積極的な価格攻勢に出ると観測されている。台湾勢にとって再び韓国勢にリードを広げられる恐れがあり、不安材料だ。

 韓国メーカーは金融危機発生以降、ブランドを持つ強みやウォン安を背景に、世界パネルシェアで台湾勢を上回っている。また、サムスン電子とLGディスプレイ(LGD)は今年第2四半期、台湾勢に先んじて既に黒字転換を果たしている。
 
【表】