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作成日:2009年9月14日_記事番号:T00017879
写真撮影中に転落、東北沿岸で事故多発

風光明媚な東北角海岸や北海岸、基隆沿岸で、観光客や釣り人が海へ転落して死亡する悲劇が多発している。美しい景色や獲物に気を取られるあまり、危険が潜むことをつい忘れがちになる人が少なくないようだ。
台北県に住む丁さんは11日、妻と一緒に北海岸の龍洞岬を散策していた。岬先端にあるあずまやへ着いた丁さんは、美しい海をバックに写真を撮ろうと、「断崖危険、安全に注意」の警告看板が立てられていたにもかかわらず、柵を越えてがけの上へ。ポーズを撮るために後ずさりした途端、足を滑らせ100メートル下の海へ真っ逆さま。帰らぬ人となってしまった。
同様に野柳岬(台北県万里郷)や獅頭山岬(同金山郷)でも、観光客が足を滑らせ転落死する事故が発生している。
2008年5月、龍洞攀(貢寮郷)の岩場でロッククライミングを練習中の女性が、20メートル下へ落ちて死亡。09年2月にはブライダル写真を撮影中のカメラマンが、第二原子力発電所(万里郷)の排水口近くで柵を越えて転落、死亡した。龍洞岬の暗礁地帯では3月に、行方不明中の男性の遺体も発見されている。
台北県政府は08年6月から、磯釣り時は救命具や滑り止め付きの長靴など安全装備を着用するよう規定し、違反者を取り締まっているが、依然として釣り人の転落事故が後を絶たない。
そこで東北角・宜蘭海岸国家風景区管理処(東管処)は、危険な釣り場25カ所を発表し、釣り人に注意を呼び掛けている。
一方、地形が複雑な北海岸では溺死事故が多く、北海岸・観音山国家風景区管理処(北管処)は、淡水沙崙、三芝浅水湾、万美などの海水浴場や、野柳地質公園など15カ所を危険海域に指定している。
東北沿岸一帯では、毎年11月から東北季節風が強く吹くため、観光客や釣り人は特に注意が必要だ。