パルコ(PARCO)が10月末にオープンする台北駅北側の複合商業施設「京站時尚広場(Qスクエア)」と、入居テナント仲介や運営指導などでの協力を視野に提携交渉を行っている。Qスクエアは8月に開業したバスターミナルを擁するため集客力を見込め、台北駅周辺の新たな人気商業スポットとして期待されている。
Qスクエアの10月開業を告知する会見が15日開かれた。07年に開業した台北駅のフードコート「微風台北車站」との相乗効果も見込めそうだ(15日=中央社)
パルコ広報を担当する経営企画室情報企画部は16日、ワイズニュースの取材に対し、同施設の開発を手掛ける日勝生活科技(ラジウム・ライフ・テック)やQスクエアと協議を行っており、今週代表を台湾に派遣して実際に現地を確認した上で、同社が擁するノウハウを活用できるか見極めている段階だとコメントした。その上で、「台湾はアジアの有力なマーケットで、海外展開の候補地の一つだ」と強調した。なお、パルコは目下、シンガポール市内で複合商業ビル「セントラル(CENTRAL)」を展開。来年春には同国マリーナ地区で「パルコ@ミレニア」をオープンする予定だ。
16日付工商時報によると、パルコは2000~04年には微風広場(ブリーズセンター)と提携して、テナント紹介などに当たった。当時台湾事業を担当していた仁後裕介・同社開発事業局海外事業担当業務部長は15日、Qスクエア開業の記者会見に出席して、「パルコは商業施設の運営管理が中心で従来型の百貨店とは一線を画しており、Qスクエアのニーズとちょうど合致する。現地企業の協力があれば、台湾に適した新たな商業モデルが作り出せる」と語った。
出資の可能性も
柯愫吟Qスクエア総経理によると、パルコとの提携を目指す目的は、他店の売り場との差別化にある。出資についても協議中で、「パルコ」ブランドが使用される可能性もあるという。
同施設は地下3階、地上4階建てで、総面積7万3,000坪のうち商業施設は2万坪。「食・衣・趣・遊」をテーマにテナント400店の出店を計画している。ターゲットは18~40歳の学生や会社員だ。
8月中旬から試験供用が始まった2~4階の中距離バスターミナルでは、既に1日平均延べ2,800便が発着、利用客は延べ4,500人に上っており、多大な商機が期待される。ハード面での投資額は30億台湾元(約80億円)に上り、今後、年間売上高50億元、3年以内の黒字転換を目指す。
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