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作成日:2009年9月23日_記事番号:T00018088
有名ステーキハウス、経営者夫婦が看板争奪戦

台北県三芝郷の淡金公路に店を構えるステーキハウス「辺界駅站」は、1人前1キロを超える特大ステーキが看板料理。テレビや雑誌でも紹介され、あっという間に人気が爆発して有名になった。
この店は、米国人の夫、フランク・サンプソン(Frank Sampson)さんと、台湾人妻の顔錦雲さんが6年前にオープンした。顔さんが経営するカラオケ店「辺界駅站」で、当時失業中だったサンプソンさんが米国式特大ステーキを焼いて出したのがきっかけ。これが口コミで広がり、3週間前の予約が必要なほどの人気となった。
ところが1年前、顔さんは膠原病の一種、エリテマトーデスとがんに罹ってしまった。結婚20年のおしどり夫婦、夫は妻をいたわり…とは行かず、あろうことかサンプソンさんは浮気に走り、さらにレストランを自分名義に変更。そして昨年のクリスマスイブには4キロ離れた場所に新たな「辺界駅站」をオープンさせた。
「夫は浮気して私を捨て、店まで持って行ってしまった」と激怒する顔さん。かたやサンプソンさんは「まさか妻に追い出されるとは思わなかった、丸2日間泣いたよ」。いやはや、夫婦の間のことは当人にしか分からないようで。
顔さんは「辺界駅站」の商標が夫名義になっていることから、仕方なくもとの店を「長角96」と改名し、営業を続けている。両店のメニューはそっくりで、サーロインステーキ(「長角96」は35オンス=約900グラム、1,180元)、「辺界駅站」は40オンス=約1,100グラム、1,480元)が看板だ。ともに商売繁盛で休日には各800人もの来客があるという。
「妻の店は小料理だけのカラオケ店だったが、ステーキ店に変えてから人気となった」と自分の功績を強調するサンプソンさんは、目下2号店、3号店の出店を計画中だとか。
しかし先週、納得のいかない顔さんは「辺界駅站」の看板を奪回すべく、文書偽造で夫を提訴。もしサンプソンさんに1年以上の実刑判決が下されれば、台湾から強制退去となる。「台湾が好きなんだ!追い出されたくない!」というサンプソンさんだが、さて裁判の結果はいかに?