中国政府が「民族分裂分子」と糾弾する亡命ウイグル人組織の指導者、ラビア・カーディル議長の訪台実現を目指す台湾青年反共救国団の林保華理事長、楊月清夫妻によると、22日早朝、ラビア氏と電話連絡が取れ、同氏を追ったドキュメンタリー映画の台湾全土での上映を目指すとする林理事長の考えに「うれしいことです」と答えた上で、「私は必ず台湾に行く」と語ったという。23日付自由時報が報じた。
高雄市で初上映された「愛についての10の条件」。上映後、観客の多くは目を赤く腫らしていたという(22日=中央社)
なお呉敦義行政院長は同日、民進党立法委員から「民進党がラビア氏を台湾に招待した場合、ビザを発給するか」との質問を受け、「現段階で検討しておらず、すぐには答えられない」と返答したが、今週中に回答するよう求められ「分かった」と答えた。
ラビア氏の映画「愛についての10の条件」は、22日午後に高雄市で初めて上映された。上映会場の電影図書館には多くの観客が詰めかけ、115席すべてが埋まった。自由時報によると見終わった観客からは、「非常に印象に残った」「中国の本質が分かった」「台湾全土で上映すべき」などの感想が聞かれた。
一方、同映画上映を不満とする中国側は旅行業者に対し「高雄行き禁止」を通達しており、同日付中国時報によると、9月のキャンセル数は大手観光ホテルで5,000室以上、小規模旅館などで3,000室を超えたという。さらにあるホテル業者が同紙に対して示した、中国の旅行業者から送られてきた10月分のキャンセル通知には、「政治的要因で高雄には行かない」と書かれていたという。