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「高鉄投資は世間知らずだった」=殷琪・前董事長


ニュース 運輸 作成日:2009年9月23日_記事番号:T00018096

「高鉄投資は世間知らずだった」=殷琪・前董事長

 
 台湾高速鉄路(高鉄)の董事長を22日に退いた殷琪氏は、辞任前日に受けた経済誌「天下雑誌」のインタビューで、同社が高鉄のBOT(建設、運営、譲渡)案を引き受けた当時を振り返ると「世間知らずで知恵が足りなかった」など現在の心境を語った。23日付聯合報などが報じた。

 「高鉄への投資で騙されたという思いはあるか」との天下雑誌の質問に殷氏は、「入札当時の旅客数の政府予測に水増しがあったこと、および計画に対する政府の態度が一貫せず信頼性に問題があることを見抜けなかった」と答えた。当時の政府の見積もりでは、旅客数は1日延べ23万人だったが、現在の実績は同8万人余りにとどまっている。

 また、台湾はまだBOT案を行えるほど成熟した社会ではなかったと指摘。さらに、産業の海外移転が進み、労働人口の200万人近くが流出したことが、航空業界だけでなく高鉄にも打撃となったと分析した。

 このほか、今年2月には毛治国交通部長から、政府系株主の特別株を普通株に転換し、政府系が筆頭株主になることが提案されていたと明かした。また、8月24日に政府系株主の出資比率37%に対し、民間5大株主は28%で、董事の人数と比例していないと指摘された上で、民間主導では政府が高鉄を支えられないとして、董事長の座を手放すよう暗に求められたと語った。