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赤字深刻な高雄MRT、市議会議長が接収を提案


ニュース 運輸 作成日:2009年9月24日_記事番号:T00018124

赤字深刻な高雄MRT、市議会議長が接収を提案

 
 財務悪化により政府主導の経営へと移行した台湾高速鉄路(高鉄)と同様、BOT(建設、運営、譲渡)方式で建設された高雄MRT(都市交通システム)でも赤字が深刻化しており、運営する高雄捷運(KRTC)では累積損失額が年内に60億台湾元(約170億円)に達する見通しとなっている。銀行からの融資がストップする恐れもあり、高雄市議会の荘啓旺議長は23日の議会で、「市は接収の準備を進めるべき」との提案を行った。24日付蘋果日報などが報じた。

 これに対し陳菊同市長は、「高鉄とは状況が大きく異なり、まだ接収するレベルまでは至っていない」との見方を示し、「市民の利用意欲刺激策を数多く打ち出せば、高雄県市の合併直轄市昇格後には利用者数が増える」と楽観的な見通しを語った。

 しかし、同日付中国時報によると、高雄MRTの1日の利用者数は現在およそ延べ12万人で、当初予測、36万9,000人の3分の1となっている。経営コストを維持するには1日に最低20万人の利用が必要とされるが、減価償却、権利金などの費用を考慮した場合40万人以上が必要となり、高雄MRT関係者からは「毎日大みそか並みの利用者があったとしても黒字にならない」との声も出ている。