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カーエレ業界団体立ち上げ、中国商機を開拓


ニュース 電子 作成日:2009年9月25日_記事番号:T00018175

カーエレ業界団体立ち上げ、中国商機を開拓

 
 カーエレクトロニクス市場での台湾メーカーの競争力向上を目的に、経済部は10月2日、業界団体の台湾車載資通訊産業聯盟(TTIA)を立ち上げる。鴻海精密工業や広達電脳(クアンタ・コンピュータ)など大手電子メーカーも参加し、特に世界最大の自動車市場となった中国での台湾メーカーの商機獲得に協力していく。25日付経済日報などが報じた。
 

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 TTIAには鴻海、クアンタのほか、▽仁宝電脳工業(コンパル・エレクトロニクス)▽華碩電脳(ASUS)▽微星科技(マイクロスター・インターナショナル、MSI)▽環隆電気(USI)▽裕隆汽車──など、電子や自動車業界の大手企業をはじめ100社以上が参加する見通しだ。鴻海はカーエレ用線材とコネクター、クアンタは自動車用ナビゲーションシステム、ASUSは発光ダイオード(LED)散熱システム、コンパル、MSIはカーオーディオの受託生産で既に実績を持つという。 TTIA初代会長には精英電脳(ECS)の元董事長で、台北県電脳商業同業公会の会長を務めたこともある許明仁氏が就任する。

 許氏は中国の各自動車産業団体との提携を図っていく方針で、▽カーエレクトロニクス▽自動車部品▽自動車用通信関連の応用製品──の3分野で具体的な協力を探り、中台の共通規格制定についても協議を行いたい考えだ。

 中国政府が最近発表した「中国自動車産業発展報告(2009)」によると、今年の中国自動車市場は前年比8~10%拡大し、1,013万~1,030万台規模に達すると見込まれる。中国自動車メーカーは多くが欧米や日本の大手メーカーとの合弁だが、台湾電子業界は欧米、日本よりも高い競争力を誇るため、経済部は、中国自動車市場が発展していく中で、台湾メーカーはより多くのチャンスに恵まれると期待している。

米業界団体とも提携
 
 当面は中国市場が最重点の位置付けだが、欧米自動車市場の商機も視野に、10月8日には米ミシガン州の自動車業界団体の提携覚書を取り交わす。ミシガン州は米国最大の自動車産業拠点で、同団体にはフォードやゼネラル・モーターズ(GM)、クライスラーなど大手メーカーが参加している。

 なお、工業技術研究院(工研院)産業技術趨勢研究センター(IEK)の予測によると、自動車用半導体の今年の生産額は181億米ドルで、今後毎年12%の成長が見込め、2012年の生産額は240億米ドルに達する。

 カーエレは将来性が高い上、パソコンなどコンシューマ用エレクトロニクス分野よりも製品のライフサイクルが長く、粗利益率が高いことも大手電子メーカーにとっては魅力だ。ある業者は「サプライチェーンへの参入には少なくとも3年が必要だが、いったん参入すれば10年は食える」と語り、技術力のあるメーカーにとってうまみのある分野だと指摘した。
  
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