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半導体産業、来年15%成長も


ニュース 電子 作成日:2009年10月1日_記事番号:T00018291

半導体産業、来年15%成長も

 
 半導体製造装置・材料の国際展示会「セミコン台湾(SEMICON Taiwan)
2009」が30日、世界貿易センター1号館(台北市信義区)などで開幕した。同日開かれたフォーラムには、ゴールドマンサックス証券の呂東風氏、モルガン・スタンレー証券の王安亜氏、市場調査機関ガートナーのマーク・ストロンバーグ氏など著名アナリストが招かれ、来年の半導体市場にいずれも楽観的な見通しを示した。呂氏は、来年の世界の半導体産業は15%の成長を遂げるという予測を示した。1日付経済日報などが報じた。
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セミコン台湾には今年、海外22カ国・地域からの260社を含む計520社が出展。1千ブース以上が設置され、2万人を超える参観者数が予想される(30日=YSN)

 呂氏によると、ファウンドリー業者による今年第3四半期の出荷量は過去最高に迫り、オフシーズンに当たる第4四半期も同程度の出荷を期待できる。ファウンドリーの在庫水位は現在健全な状態にあり、今後も成長傾向を維持できる見通しだ。ファウンドリーの出荷好調は川下の楽観的な見通しを表すとして、呂氏は来年の世界半導体産業の成長率は08年水準を回復するという予測を示した。

 ストロンバーグ氏も、来年はファウンドリーおよびパッケージング・テスティング(封止・検査)分野で成長の可能性が比較的大きいと語った。そして、ファウンドリー業者は今年下半期の設備投資が上半期の2、3倍に増加していると指摘した。 同氏はさらに、ファウンドリー産業の成長率は、今年の予測値マイナス16.1%から来年は17.9%のプラスに転じ、封止・検査分野も今年度予測のマイナス9.9%から20.3%成長へと大きく回復すると指摘した。世界の半導体産業全体では今年は17%のマイナスとなるが、来年は10.3%の成長を遂げるとの見方だ。

DRAMは韓国勢が競争力向上

 DRAM価格の見通しについて王氏は、ハイシーズンによる需要の高まりが続く11月までは高値を維持するとの見方を示した。また来年第1四半期は例年のオフシーズンに入る影響で下落が予想されるが、パソコン市場の成長に伴い、来年通年の平均価格は今年を上回るとした。

 ただ王氏は、来年は韓国メーカーが40ナノメートル製造プロセスの量産を本格化させるため、依然50ナノプロセスにとどまる台湾メーカーに対してコスト競争力の差を広げると警告した。
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金融危機などなかったようだ

 呂氏は、PCは第4四半期に世界市場の出荷台数が過去最高を記録すると指摘した。携帯電話の出荷台数についても、世界大手8社合計では過去最高には達しないが、聯発科技(メディアテック)の携帯電話チップ出荷量から推測して、世界全体の「絶対出荷台数」は前年比20%増の成長を見せると予測し、「金融危機などなかったかのようだ」と語った。

 ストロンバーグ氏は世界市場のPC出荷台数について、今年は前年比1.8%のマイナス成長となるが、来年は11.4%増、再来年は15.4%増とプラスに転じ、携帯電話も今年は8%のマイナス成長が予想されるが、来年は8.3%の成長を見せると予測した。

【表】