春節(旧正月)、端午節と並ぶ三大節句のひとつ、中秋節(旧暦8月15日)がいよいよ明日3日に迫った。台湾の中秋節といえばバーベキューが定番だが、昔は中秋の名月を愛でながら、一家だんらんで月餅を食べるのが当たり前だった。
台東の伝統的な月餅「封仔餅」(1日=中央社)
ところが、近年の健康ブームで伝統的な月餅をはじめ、蛋黄酥や緑豆椪など中秋節に欠かせない中華菓子のカロリーに注目が集まるように。栄養士によれば、こういった中華菓子はいずれも、糖類と脂肪分がたっぷり含まれる高カロリー食品だという。
例えば、1個150グラムの広東式月餅は500キロカロリーで、これはご飯約1.8杯分にも相当する。1個60グラムの蛋黄酥は280キロカロリー(ご飯約1杯分)、1個50グラムの緑豆椪はやや少なめの250キロカロリー(ご飯0.9杯分)だ。
一方、健康志向が強まる中、近年新しく登場した「冰皮月餅」は、1個50グラムで140キロカロリー(ご飯0.5杯分)。伝統的な月餅とは異なり、皮がもち米粉で作られているため、やや低カロリーだ。
ただ、月餅の落とし穴は市販の9割以上が100グラム当たりのカロリー表示となっていること。実際の重量当たりのカロリーを表示すると、消費者を驚かせてしまいかねないからだろうか。
月餅の食べ過ぎに十分注意が必要なのは、糖尿病や心血管疾病のある人だけではない。
一部の月餅や蛋黄酥には、塩漬けした卵の黄身が入っているが、黄身1個に含まれるコレステロールは240ミリグラム。コレステロールの1日の理想的な摂取量は200ミリグラムなので、蛋黄酥を1個食べたたけでこの適正量を超えてしまう。
ちなみに、広東式月餅1個(500キロカロリー)を食べた場合、このカロリーを消費するにはウォーキングなら3時間、サイクリングなら2時間が必要だとか。これを聞いても食欲がわくという人はあっぱれかも。