5日午後1時15分発表の中央気象局台風警報によると、台風17号(アジア名・パーマァ)は午後1時現在、中心気圧980ヘクトパスカル(hPa)と勢力を弱めつつも、台湾最南端、鵝鑾鼻(屏東県恒春鎮)から西南250キロメートルのバシー海峡海上に依然停滞しており、宜蘭や花蓮など北部および東部地域に大雨をもたらしている。気象局では、今後台風はあす1日停滞を続けた後、ゆっくりと南南西に進路を変えると予測しており、5日、6日は北部、東部、南部恒春半島で局地的な豪雨、特に山間部では雨量が大幅に増加する恐れがあるとして注意を呼び掛けている。
桃園県の海岸では5日午前、台風による高波が観測された(5日=中央社)
気象局発表によると、4日0時から5日午後1時までの各地の雨量は、▽宜蘭県寒渓、888ミリ▽台北県瑞芳、387ミリ▽花蓮県和中、319ミリ▽台北市陽明山、289ミリ▽基隆、236ミリ▽屏東県檳榔、202ミリ▽台東土阪、176ミリ──などとなっている。
台風8号による水害への対応が遅れたことで批判を浴びた馬英九総統は4日夜、「今回の台風は非常に奇妙な動きを見せているが、防災は災害発生を前提に進めるべき」との考えを示した。ただ緊急対策本部に当たる中央災害応変中心によると、台風8号により被害を受けた南部の住民を中心に台湾全土で既に6,688人以上が避難しているが、今回の台風で雨量が最も多い地区の一つと予想されている花蓮県では、依然106人の避難にとどまっている。