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台プラのグリーンエネ事業、展開加速


ニュース その他製造 作成日:2009年10月5日_記事番号:T00018349

台プラのグリーンエネ事業、展開加速

  
 台湾塑膠工業(フォルモサ・プラスチックス)がグリーンエネルギー産業における展開を加速させている。傘下の台湾塑膠工業(フォルモサ・プラスチックス、台塑)が取り組む太陽電池用封止膜のEVA(エチレン・ビニル・アセテート)フィルム、および台塑長園能源科技のリチウム鉄電池正極材料は、第4四半期中に量産開始の見込みだ。このほか、台塑は薄膜太陽電池製造用モノシランガス(SiH4)に、台湾化学繊維(フォルモサ・ケミカルズ&ファイバー、台化)は多結晶シリコン(ポリシリコン)へと、着々と参入準備を進めている。5日付工商時報が報じた。
 
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太陽電池封止膜でシェア20%目指す
 
 台塑は7日、既に研究開発(R&D)が完了し、国際認証も取得したEVAフィルムの新製品の発表を行う。今後太陽電池メーカーとの提携を目指し、各社からの認証取得を進める構えで、太陽電池用封止膜市場でシェア20%獲得が目標だ。

 台湾では現在、太陽電池用封止膜をすべて輸入に頼っており、台塑がEVAフィルムの量産を開始すれば、台湾初の太陽電池用封止膜メーカーとなる。同社は約10億台湾元(約28億円)を投じてEVAフィルムの生産ライン2本の設置を進めており、既に8月に生産設備の搬入を終えて現在テスト稼働を行っている。11月には製品販売を開始できる見込みだ。

 観測によると、台塑のEVAフィルム生産能力は量産初期で年間3,000万トン。同社に約10億元の売上貢献を持たらすとみられる。また同製品は約40%の粗利益率が見込めることから、利益成長の新たな原動力と目されている。

台塑長園、中国大手から受注相次ぐ
 
 台プラ傘下の台塑生医科技(フォルモサ・バイオメディカル・テクノロジー)と電池メーカーの長園科技実業(チャンズ・アセンディング)の合弁メーカー、台塑長園は、10月に第1工場が完成し、来年量産を開始すれば世界最大のリチウム鉄電池正極材料メーカーとなる見通しだ。

 台プラ幹部は4日、台塑長園が中国の大手バッテリーセルメーカー、比克電池(BAK)から受注を獲得したことを明らかにした。世界最大の電池メーカー、比亜迪(BYD)によるテスト採用に続く中国メーカーからの受注となった。

 比克電池は、BYD、天津力神と並ぶ中国3大電池メーカーの一つで、しかも今回はテスト採用ではなく正式な受注となったことは、台塑長園の中国進出が一定の成功を見たことを意味する。ただ台塑長園は、「比克電池からの受注は4、5トンに過ぎず、大規模なものではない」と強調している。

 台塑長園のリチウム鉄電池正極材料はBYDの第1号電気自動車にテスト採用されており、依然正式な受注には至っていないが、サプライチェーン入りを果たせば、その後継続して出荷拡大が見込める。
 
【表】