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遺体燃す熱を空調に再利用、葬儀場に賛否両論


ニュース 社会 作成日:2009年10月7日_記事番号:T00018380

遺体燃す熱を空調に再利用、葬儀場に賛否両論

 
 葬儀場の休憩室でクーラーの冷気を浴びた人に次々と異変が…、そんな怪談が台北市第二殯儀館(大安区)で聞かれるようになるかもしれない。というのは、台湾初の「火葬炉の廃熱を利用した空調システム」が、来月11月から同葬儀場に導入されるからだ。

 第二殯儀館では1日平均52体の遺体が荼毘(だび)に付されるが、その際に火葬炉から出る廃熱を、熱交換器と吸収式冷凍機によって26~28度の冷気に変え、火葬完了を待つ間、遺族が待機する広さ約100坪の休憩室に送り込む。経費は770万台湾元で、今年8月に着工した。

 一般の空調設備の場合、必要な電力は100キロワット(kW)だが、この吸収式ならわずか3kWと、97%もの節電になるという。1日当たり約3,060元、年間で100万元以上もの電気代が節約できる計算だ。

 環境保護とコストダウンが図れる一石二鳥のシステムだが、燃料が遺体なだけに、「何かイヤな感じがする」(22歳女性)、「死後も功徳が積めてよい」(40歳男性)など、人々の反応もさまざま。

 蘋果日報が6日に行った電話によるアンケート調査(有効回答は298件)によると、過半数を越える59%が「熱エネルギーの再利用は環境保護」と賛成派。反対派は25%、意見なしは16%だった。

 風水師によると、遺体を火葬することで生じる廃熱はけがれており、厄年の人や運気、体力が落ちている人が触れると、運勢が悪化するという。

 いろいろな意見があるようだが、身内の遺体が焼かれる熱で涼しい思いをするというのは、遺族はどんな気持ちだろうか。