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呆れた現金輸送車、755万元落として気付かず


ニュース 社会 作成日:2009年10月12日_記事番号:T00018470

呆れた現金輸送車、755万元落として気付かず

 
 大手セキュリティ・サービス、英Group4Securicor(G4S)グループ傘下の台湾士瑞克保全(本社:台北県林口郷)は、3,000人以上の従業員を抱える警備業者。そのセキュリティーのプロ、士瑞克保全の現金輸送車が走行中に現金袋を落とすという、とんでもないミスを犯した。

 11日午前10時51分、士瑞克保全の現金輸送車が基隆市東明路で左折した際、右側のドアが突然開き、現金袋3つが落下。後ろを走行中のタクシー運転手がクラクションを鳴らして知らせたが、輸送車は全く気付かず、そのまま走り去った。

 道の真ん中に落ちた現金袋は大雨の中、一時放置状態となったが、直後にバイクで現場を通りかかった何炘さん(男性)が道路脇の歩道へ運んだ。その後何さんは、バイクで通り掛かった警官2人に通報し、袋をバイクに載せて派出所へ運ぶのを手伝った。

 ところが現金袋には何の情報も表示されていない上、落とし主からの連絡も来ず、一体誰の所有物なのかは不明のまま。警官は警備業者一軒一軒に電話を掛け、落とし主が士瑞克保全と判明したのは正午すぎだった。

 さらに、その時点でも士瑞克保全は現金袋を紛失したことに気付いておらず、警察からの連絡でやっと知ったというから、なんともお粗末な話だ。現金袋の中身は、1,000元札で300万元分と450万元分、100元札で5万元分の3袋計755万元。くだんの輸送車は即座に基隆へ取って返し、午後1時半に無事現金を受け取った。

 それにしても、二重三重に鍵が掛けられ、警報機も付いている現金輸送車のドアが開くとは不思議だが、士瑞克保全によると「人為的な事故ではなく、機器の故障が原因」だそうだ。

 民法の規定では、遺失物の拾得者は6カ月位内に落とし主から拾得物の3割を報労金として受け取ることができる。つまり現金袋の拾得者、何さんは約226万元という「車から落ちてきたプレゼント」をもらえることになる。

 何さんは「通行の邪魔になって危ないと思ったから。謝礼なんて頭になかった」とあっけらかん。ちなみに、派出所には「われこそが拾得者」と名乗る電話が100本以上も掛かって来たという。