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大人用粉ミルク、3割が低い栄養価


ニュース 社会 作成日:2009年10月16日_記事番号:T00018592

大人用粉ミルク、3割が低い栄養価

 
 日本で粉ミルクといえば、赤ちゃん向けの育児用製品が頭に浮かぶが、台湾では乳幼児から高齢者まで幅広い年齢層が愛飲する飲み物で、種類も実に多い。

 ところが、財団法人董氏基金会が15日に発表した粉ミルクに関する調査で、市販の大人用粉ミルクの3割は、乳成分が5~7割しか含まれておらず、栄養価が低いことが分かった。

 調査対象となったのは、市販の大人用粉ミルク42種類で、そのうち29%に相当する12種類の製品で、乳成分が55%~71%しか含まれていなかった。残り30種類は、乳成分が90%以上と栄養価が高かった。

 55%と乳成分が最も低かった豊力富全家人奶粉には、トウモロコシなどから作られる食品添加物、マルトデキストリンが4割以上含まれている。マルトデキストリンは、粉ミルクを凝固せずに溶けやすくする作用があるが、栄養価は低い。これを添加すれば低コストになる。

 キロ当たりの販売価格を比較すると、豊力富全家人奶粉は約180台湾元、乳成分98%の桂格(クエーカー)高カルシウム即溶低脂奶粉は約370元と、実に2倍以上の差だ。

 豊力富の台湾代理業者、恒天然乳品は、豊力富全家人奶粉は、「低脂肪・高カルシウム」の健康志向者向け製品であると強調し、自社サイトでも声明文を発表し、董氏基金會に抗議している。

 確かに、政府が規定する粉ミルクの乳成分含有量は40%なので、いずれの業者も違反はしていない。とはいうものの、消費者にしてみれば、騙されたような気がするのももっともで、「乳成分の含有量を表示すべき」との声も。

 衛生署はこれを受けて、現行の食品衛生管理法を改正し、各成分の含有量の表示を義務づけることも視野に入れているという。