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作成日:2009年10月21日_記事番号:T00018690
新型インフルエンザ薬に耐性確認、20歳男性
行政院衛生署は20日、南部で先月初めに新型インフルエンザ(H1N1)にかかり入院した20歳男性で、ウイルスが突然変異を起こし、治療薬「タミフル」に対する耐性が確認されたことを明らかにした。治療薬に対する耐性が確認された症例は台湾で初めてとなり、世界で36例目。21日付蘋果日報が伝えた。
男性は9月1日に受診し、直ちに新型インフルと診断され、タミフルの投与を受けた。しかし、4日目から薬に対する耐性を示し始めたという。男性は既に回復しており、周辺にも患者はなく、耐性を持つウイルスが広がった形跡はないという。
張上淳・衛生署副署長は「ウイルスは繁殖過程で突然変異を起こしたとみられるが、変異後は繁殖速度が低下し、感染しにくくなっている」と指摘した。
新型インフル治療薬に対する耐性は、▽日本▽米国▽中国▽シンガポール▽タイ▽カナダ▽ブラジル▽アルゼンチン▽デンマーク──で既に確認されている。
輸入ワクチン、11月から接種開始
一方、衛生署は製薬大手ノバルティスから調達した新型インフルワクチン「フォセトリア」が21日以降、台湾に到着することを受け、11月1日から接種を開始する方針を明らかにした。
接種は優先順位に基づき行われ、当面は台風水害被災地や医療機関職員、生後6カ月から1歳の乳児が優先接種対象となる。
なお、中央流行疫情中心は21日、台湾で新型インフルによる25例目の死者が確認されたと発表した。基隆市衛生局の報告によると、死者は54歳の男性で、肝炎と腎臓に病歴があり、人工透析を受けていた。