ワイズコンサルティング・グループ

HOME サービス紹介 コラム グループ概要 採用情報 お問い合わせ 日本人にPR

コンサルティング リサーチ セミナー 経済ニュース 労務顧問 IT 飲食店情報

自然体験のドジョウすくいで「やらせ」、台北県が事前に放流


ニュース 社会 作成日:2009年10月26日_記事番号:T00018774

自然体験のドジョウすくいで「やらせ」、台北県が事前に放流

 
 淡水河の水質改善と湿地生態の再生は、周錫瑋台北県長の重要な業績として位置付けられている。そのため同県環境保護局(環保局)は、関連イベントを次々と実施し、成果のアピールに余念がない。

 ところが、このほど淡水河に親しむという触れ込みで行われた県主催のドジョウすくいイベントが、環保局があらかじめ用意したドジョウ放っていた「やらせ」だったことが判明。参加者はもとより、専門家からも厳しい批判が起こっている。

 作為が指摘されたのは、淡水河水系の三大支流の一つ、大漢渓の人工湿地「新海三期」で、4日から週末と水曜の複数回にわたって行われているドジョウすくいイベント。参加者はドジョウの捕獲を通じて湿地の生態を理解できるという。

 しかし、実はこのドジョウは湿地に存在する野生ではなく、環保局のバイトスタッフが市場で購入し、イベント実施直前にこっそり湿地に放流したものだった。そうとも知らず、参加者は嬉々としながらドジョウをすくっていたという訳だ。

 ちなみに、同イベントの総経費は3,000万台湾元(約8,500万円、活動経費1,700万元、宣伝経費1,300万元)。そのうちドジョウ代として1回当たり3,000元(3キログラム=約60匹)、計3万6,000元が計上されたという。

 県はドジョウがいることで湿地の生態が復元したと証明したかったようだが、明らかなやらせだ。

 これについて環保局は、ドジョウすくいの目的は、参加者に昔の農村の楽しみを体験してもらうためで、湿地の生態再生をアピールするためではないと強弁。一方、周県長はコメントを避けている。

 専門家は、汚水を浄化するはたらきをする人工湿地に、このような外部からの生物を放流する行為は、湿地の生態を破壊する「とんでもない間違い」と厳しく批判している。