台塑集団(台湾プラスチックグループ)が、発光ダイオード(LED)用エピタキシャルウエハー・チップ最大手の晶元光電(エピスター)と提携して、照明用LEDチップの生産に取り組むことを決めた。台プラは裕隆集団と共にLED照明事業に参入しており、エピスターとの提携によって川上も押さえ、必要なチップを供給する。26日付経済日報が報じた。
両者の提携では、エピスターが台プラ傘下でLED照明事業を推進する南亜光電に出資し、技術を提供する。合弁の新会社を立ち上げる可能性もあり、台プラ側は主導権掌握に意欲的で、既にエピスターの株式を一定程度取得しているもようだ。
南亜光電は今年4月、裕隆集団傘下のエピウエハーメーカー、嘉晶電子(プレシジョン・シリコン)の筆頭株主となり、裕隆集団とともにLED照明の「趨勢照明(トレンド・ライティング)」に10%ずつ出資を行っている。
LED照明は現在大きな注目を浴びており、エピスターには鴻海科技集団(フォックスコン)、台達電子工業(デルタ・エレクトロニクス)、台湾積体電路製造(TSMC)などが提携を望んでいるとの観測が相次いでいたが、最終的に台プラが提携を決めた。
新エネルギー産業への展開を強化
台プラは、第6ナフサ分解プラント(六軽、雲林県麦寮郷)第5期拡張計画に総額400億台湾元(約1,135億円)の太陽エネルギー関連投資に盛り込んだことにみられるように、ポスト王永慶時代のスタートとともに、太陽エネルギーやリチウム電池、LEDなど新エネルギー産業への展開を強めている。
これは、王文淵総裁の戦略に沿ったもので、王総裁の実弟である王文潮・台塑石化(フォルモサ・ペトロケミカル)董事長を、南亜光電董事長としてグループのLED事業の推進役とすることも検討しているという。
台プラは電子事業も積極的に推進する方針で、傘下のDRAMメーカー、南亜科技と華亜科技(イノテラ・メモリーズ)は先週、来年は今年の2.5倍に当たる640億元の設備投資を行うことを発表している。
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