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作成日:2009年10月27日_記事番号:T00018805
卒業旅行で大麻体験、旅行社の仰天客寄せ
「タダ(無料)で大麻を体験できる!」。大学生向けの卒業旅行を数多く手配している大楽旅行社(台中市)が、こんなうたい文句でタイ旅行を宣伝し、参加者を集めていたことが分かった。
同社が手配する卒業旅行「タイ7日間コース」のパンフレットには、「ゴールデントライアングル(黄金の三角地帯。タイ、ミャンマー、ラオスがメコン川で接する山岳地帯)の歴史博物館見学、大麻の無料体験も」と記載されており、タイ北部の文化村で大麻を吸うことができるとされている。
2008年にこの卒業旅行に参加した学生によると、現地でツアーコンダクターが大麻について触れ、「大麻を1本体験させてくれるとか言ったような記憶がある」。実際に現地で大麻を体験したという旅行客は、「粗悪なタバコと混ぜてあったのか、吸っても分からなかった」とか。
同社ブログには、国立成功大学(台南市)や中国医薬大学(台中市)の学生が、卒業旅行先のタイで大麻を吸う写真も掲載されていたが、張世揚同社総経理は26日、文化村でツアー客に提供しているのは大麻ではなく、単なるたばこだと強調。
「ツアコンはジョークで大麻と言っただけ」と弁解し、「大麻を体験できるというジョークを営業部が誤って広告に掲載したのだろう。今後調査して処罰する」とコメントした。
しかし、新聞記者が客を装って大楽旅行社に問い合わせたところ、同社スタッフは「一人1本ずつではないですよ。1ツアーに数本だけです」「もし本当に吸いたいなら、1本20台湾元でプレゼントしてもいいですよ!」と答えたというから、真偽のほどは…。
教育部は26日、成功大と中国医薬大の緊急調査に乗り出した。成功大は、医学部職能治療系(作業療法学科)の4回生が3月に卒業旅行でタイへ行ったが、「学生によると吸ったのは大麻ではなく、一般のたばこだった」。中国医薬大は、今後は海外旅行で羽目を外さないよう指導する方針だという。
なお、旅行社が海外ツアーで客に大麻を吸わせた場合は、15万元以下の罰金で、ライセンスが取り消される場合も。手作り化粧品などに大麻の成分が含まれてた場合、その物品を所持しているだけでも違法で、2年以下の実刑に処されるというから要注意だ。