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奇美電、8.5世代工場の計画再開


ニュース 電子 作成日:2009年10月27日_記事番号:T00018831

奇美電、8.5世代工場の計画再開

 
 26日、第3四半期の業績説明会を行った液晶パネル大手、奇美電子(CMO)の王志超総経理は、同期業績が昨年第2四半期以来の黒字転換を果たしたことや、来年のテレビ市場を好感していることから、これまで延期してきた第8.5世代工場への投資計画を再開すると表明した。6世代工場の拡充やボトルネック解消作業も合わせて実施し、来年は全体の生産能力を20~25%増強する方針だ。27日付工商時報などが報じた。
 
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来年中に月産2.4万枚規模へ
 
 王総経理によると、約1年間設置計画を凍結してきた8.5世代工場は、第4四半期中に設備搬入を開始し、来年第2四半期までには量産規模をガラス基板投入枚数で月8,000枚に、さらに来年末までには同2万4,000枚に高める。

 計画再開について王総経理は、「金融危機後、経営の安定を最優先目標としてきたが、さらなる成長の必要と市場における需要の伸びを好感したためだ」と語った。

 8.5世代工場へは今後250億台湾元(約710億円)の再投資が必要で、同社は今年の設備投資費用を400億元から450億元へと上方修正した。来年通年の同費用について陳世賢財務長(CFO)は、「なお検討が必要」としている。

 奇美電はまた、来年6世代工場の月産能力を12万枚から16万枚に引き上げ、さらにボトルネック解消作業を施すことで既存ラインの生産能力を10%高める予定だ。

Q3利益は予測を大幅に上回る
 
 奇美電の第3四半期業績は、連結売上高が前期比27.3%増の894億3,900万元、営業利益65億8,900万元、純利益51億4,900万元と証券会社の予測を大きく上回った。またパネル価格の上昇およびコスト管理が効果を発揮し、粗利益率が前期のマイナス3.5%から12.4%へと大きく好転し、7.4%だった営業利益率とともに最大手の友達光電(AUO、粗利益11.7%、営業利益6.8%)を上回った。

Q4テレビ向け出荷15%増も

 奇美電の第3四半期大型パネルの出荷枚数は前期比13.2%増の2,166万枚で、過去最高を記録。平均販売価格も13%上昇した。

 陳CFOは第4四半期の出荷について、液晶テレビ用パネルは価格の下落幅が5%以内にとどまる一方、出荷枚数は前期比10~15%増加すると予測している。その他製品の出荷見通しは、▽IT(情報技術)製品用パネル、同15~20%減(価格は5~10%下落)▽中小型パネル、同5%以内──。

 なお同社の郭振隆・業務副総経理は液晶テレビ市場について、今年の市場規模はほぼ予測通りの1億3,000万台となり、来年は1億6,500万台まで成長するとの見通しを示した。
 
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