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作成日:2009年10月28日_記事番号:T00018839
中国汚染ミルク事件、被害業者いまだ補償受けられず
昨年9月に起きた、有害物質メラミンが混入した中国製粉ミルクが台湾市場に流入した事件で、輸入業者や乳製品メーカーなど被害を受けた企業が起こした中国側への賠償請求は、1年が過ぎた現在もまったく進展を見せていないようだ。昨年11月の中台窓口機関トップによる会談(第2回江陳会)で中台は「食品安全協議」に署名したが何の効果もなく、28日付自由時報は「署名文書はただの紙切れに過ぎない」と批判している。
今年年初、被害を受けた企業12社は約7億台湾元(約20億円)の損害賠償を求める文書を共同で中国側に提出した。政府関係者は、「法的手続きに具体的な進展はないが、7月に海峡両岸関係協会(海協会、中国側の対台湾窓口機関)から、中国メーカーが台湾に売った粉ミルクにメラミンが含まれていたことを確認したとの連絡を受けた」と説明した。
しかし問題のミルクを製造した中国メーカーの中には既に破産した企業も出ており、裁判で勝訴したとしても賠償金を受け取れる可能性は低いという。
被害を受けた企業は、「事件が再び話題となっても、消費者に不安感が広がって売れ行きが悪くなるだけだ。この話題にはもう触れてほしくない」と話しているという。