ニュース 自動車・二輪車 作成日:2009年10月28日_記事番号:T00018863
裕隆企業集団傘下の中華汽車工業は、第4四半期の中台自動車市場を好感している。背景には、中国福建省で合弁により事業展開している東南汽車工業が、9月に利益2,000万人民元(約2億7,000万円)を計上し昨年4月から続いていた赤字を脱したこと、台湾で自動車の貨物税(物品税)減税措置が年末に期限切れを迎えるため、駆け込み購入を期待できることがある。今後、中台で生産分業を進めることも検討している。28日付工商時報などが報じた。
東南汽車は、自社ブランドの中型セダン「V3菱悦」が好調で、9月の新車販売台数が初めて1万台近くに上った。さらに11月には三菱自動車の「ランサーEX」を投入予定で、既に予想を上回る予約を受け付けている。こうした要因により、東南汽車は第4四半期、中華汽車に6,000万台湾元(約1億7,000万円)の利益をもたらすと証券会社は予測している。
中国工業信息化部(工信部)の朱宏任報道官は27日、中国政府が進める農村への乗用車普及プロジェクト「汽車下郷」、および排気量1,600cc以下の小型車購入に対する車両取得税(購置税)の税率半減政策の効果が明確に出ているため延長を検討すると述べており、中国政府の自動車産業支援は今後も続くことが期待される。
劉興台・中華汽車執行副総経理は27日、中台間で両岸経済協力枠組み協議(ECFA)が締結された後、三菱自動車の小型自動車「コルトプラス」を中国人が使いやすいように改良して中国市場向けに輸出する可能性を示唆した。さらに、中華汽車が中・高級車を、東南汽車が生産台数の多い車種を扱う中台分業モデルを検討していることも明らかにした。
コルトプラス10年モデルの発表には、三菱自動車の上林一行・北アジア本部北アジア第二部長(左)も駆け付けた。発売は10月31日だ(中華汽車提供)
新型コルトプラス、前倒しで発表
中華汽車は27日、「コルトプラス」「コルトプラスiO」の2010年モデルを発表した。もともと12月に発表予定だったのを前倒したもので、排気量2,000cc以下の自動車に対する貨物税減税措置が年末で期限切れとなることに加え、旧モデルが早くも売り切れたことが理由だ。
中華汽車の広報部はワイズニュースの取材に対し、コルトプラスは07年3月の発売以来、累計販売台数が約2万台に上り、今後は月700~800台のペースで売れるという予測を示した。販売価格は「コルトプラス」が53万9,000~62万9,000元、「コルトプラスiO」が56万9,000~62万9,000元だ。
台湾市場シェア、16%狙う
中華汽車は最近、台湾市場での通年の新車販売目標を、従来の3万3,600台から4万2,000台へと上方修正を行っている。目標シェアは従来の15%から16%へ修正し、今年の台湾市場規模の予測も、当初の21万台から26万台に引き上げた。なお、東南汽車の通年目標も、当初の8万台から8万~8万5,000台に上方修正された。
劉執行副総経理は、貨物税減税措置の期限切れにより、第4四半期の新車販売は同社、台湾市場全体ともに今年の最高を記録するという予測を示した。ただ、来年上半期は反動で落ち込み、下半期に景気回復がみられなければ、今年比で市場規模が縮小する恐れもあるという見方を語った。
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