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プロ野球の八百長、続発の原因は安月給


ニュース 社会 作成日:2009年10月29日_記事番号:T00018866

プロ野球の八百長、続発の原因は安月給

 
 台湾プロ野球界では、誰もが「またか」と思うほど、暴力団絡みの八百長事件が毎年のように表面化している。特に今回は曹錦輝、張誌家、謝佳賢ら複数の現役スター選手の関与が疑われていることから、さらに大きな衝撃を与えている。

 板橋地検によると、今回の事件の黒幕は、2年前に起きた中信ホエールズの八百長事件で関与が疑われて以来、マークされていた蔡政宜容疑者だ。彼は、呉健保・元台南県議長と手を組み、八百長試合を仕組んだとみられている。

 台湾の地下賭博ビジネスの商機は、年間150億米ドル(約4,870億台湾元)ともいわれる。合法なスポーツくじ販売額が年間300億元とされることからも、その規模の巨大さがうかがえる。暴力団がこれほどの商機を見逃すはずがなく、球界への干渉や介入が後を絶たないのはそのためだ。

 選手の給料の安さも、八百長試合がなくならない大きな原因だ。選手の平均給与はここ10年ほとんどアップしておらず、曹錦輝投手など、月給が30万元(約83万円)を超える一流選手は数えるほど。レギュラー選手でも月給は十数万元と、米国や日本とは比べものにならないほど安いのが現状だ。

 このため、暴力団から八百長の見返りとして1試合数十万元から100万元以上もの報酬を約束されれば、つい気持ちが揺れてしまうのだろう。台湾プロ野球は今年で発足20年を迎えたが、野球賭博が根絶されない限り、リーグ存続の危機は続くだろう。