経済部と自動車業界はこのほど、海外の自動車メーカーが両岸経済協力枠組み協議(ECFA)による中台間での関税撤廃を利用し、台湾の自動車メーカーに生産委託を行い、安易に対中輸出で免税扱いを受けることがないよう、台湾で自動車部品の35%以上を調達しなければ、台湾製と認めないとする原産地ルールを設けることで基本合意した。2日付工商時報が伝えた。
ECFA締結交渉では、小型乗用車や自転車がアーリーハーベスト(一部品目の早期関税引き下げ)の対象に含まれ、台湾製乗用車の対中輸出は一定の輸出枠の範囲内で関税が撤廃される見通しだ。一方で、自動車部品は一部業者の反対でアーリーハーベスト対象品目から除外された。
その結果、完成車輸出ならば関税がかからないのに、部品の形で輸出すれば中国側で10%の関税がかかるというねじれが生じる。こうした状況で、海外のメーカーが台湾で組み立てた乗用車をECFAによる無関税枠で輸出すれば、台湾の部品メーカーには衝撃となりかねない。このため、経済部は台湾での組み立て車を中国に輸出する際、台湾製部品を35%以上使用した場合に限り、原産地証明書を発行することにした。
台湾側は現在、中台双方が自動車輸入台数全体の25%を無関税枠とすることを要求。具体的には中国製小型車を台湾へ輸出する場合、台湾の自動車輸入台数全体(4万台)の25%に当たる1万台、台湾製小型車を中国に輸出する場合、中国の輸入台数全体(40万台)の25%に当たる10万台をそれぞれ無関税とすることを提案している。