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光電産業、異業種が参入積極化


ニュース 電子 作成日:2009年11月2日_記事番号:T00018951

光電産業、異業種が参入積極化

 
 化学繊維メーカーの新光合成繊維(新繊)は1日、今後2年で60億台湾元(約170億円)を投じ、うち8割を光電事業と工業用プラスチックに充てると表明した。光電事業には既に過去3年で60億元を投じており、収穫期に入りつつあると指摘。光電分野に投資する従来型産業の企業は既に20社以上に上り、市場の成長性に高い期待がかけられていることがうかがえる。2日付蘋果日報などが報じた。
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1日開かれた新繊の中レキ工場40周年記念イベントには、呉東昇董事長(右)の母、呉桂蘭氏(左)も出席した(1日=中央社)

 呉東昇新繊董事長によると、太陽電池や液晶ディスプレイに必要なポリエステルフィルムへの投資が全体のうち最大を占める。現在、光電フィルムの生産ラインは3本、年産能力は6万4,000トンで、来年、年産1万2,000トンのライン1本を追加する。

 新繊傘下で輝度上昇フィルムの友輝光電(UBライト・オプトロニクス)は、既に黒字転換を果たしている。達輝光電(Tacブライト・オプトロニクス)は、液晶偏光板用TAC(トリアセチルセルロース)フィルムをテスト生産中だ。TACフィルムは現在、富士フイルムとコニカミノルタオプトが世界市場のシェア90%を握っており、台湾は100%輸入に依存している。このため、達輝光電が台湾で初めて量産に成功すれば、年産能力は3,000万平方メートル(㎡)と世界全体7億㎡の約4%を占めるため、台湾の液晶ディスプレイ産業の必要量の10%を供給できると証券会社は予測している。

 新繊のほか、台湾塑膠工業(フォルモサ・プラスチックス)、化学原料の長興化学工業(エターナル・ケミカル)、李長栄化学工業、ガラス最大手の台湾玻璃工業(台湾ガラス、台玻)など、台湾従来型産業の20社余りも光電フィルムや光電材料分野に進出しており、今後3年で研究開発(R&D)に合計212億元が投じられる見通しだ。
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エコに注力、自然公園設置も

 新繊は光電以外に、粗利益率が比較的高い工業用プラスチックやPET薄膜の生産能力拡張に20億~25億元、中国やタイなどでの展開拡大に残りを投じる計画だ。

 同社は2005年以降、水や電力、紙の使用を減らしたり、再利用を進めるなどのエコロジー対策強化で3億3,000万元のコスト削減に成功した。将来的には数千万元を投じ、桃園県中レキ工場(レキは土へんに歴)の廃水を利用した広さ3,000坪の自然生態景観公園を作る計画もある。


【表】