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罰金未納1千万元、露天商が悲鳴


ニュース 社会 作成日:2009年11月3日_記事番号:T00018953

罰金未納1千万元、露天商が悲鳴

 
 仕事のない夫に代わって家計を支えるため、子どもを田舎に預けて露天商を始めた陽さん。台北市内で女性用の衣服や靴を販売すること10年余り、警察の取り締まりで科された罰金は積もり積もって1,000万台湾元を超えた。倉庫暮らしの陽さんに巨額な罰金を支払う能力はなし。警察によると、罰金の未納額は恐らく台湾全土の露天商でトップだという。

 陽さんのような露天商が取り締まりを受けるのは、「道路に物品を積み上げ、交通を妨げた」「路上を仕事場所とした」など道路交通法違反が理由で、罰金額は1,200~1,500元。「1日2~3枚の罰金切符を受ければ、その日の売り上げは全部飛んでしまう」「罰金を払えるのなら、こんな商売はしない」と悲鳴を上げる露天商も多い。

 中には罰金をかわすために、同業者と共同出資してホームレスなどを「身代わり」として雇う露天商もいる。警察が取り締まりに現れると、雇われた身代わりが露店主のふりをして罰金刑を受ける。露天商にとって、高額の罰金を免れるためなら、数百元の出資は安いもの。上に政策あれば下に対策ありという訳だ。

 一方、露天商の取り締まりは執行する側の警察にとっても頭の痛い問題だ。というのも、罰金を科しただけでは終わらず、罰金の納付達成率アップというプレッシャーがあるからだ。

 台北市の東区商圏を管轄する台北市警大安分局敦化南路派出所は、露天商や通行人などに対して切った罰金切符6,000枚以上のうち8割が未納状態。納付達成率がわずか2割と最低だったことから、自分たちで取り立て業務まで担当するはめになり「借金取りじゃあるまいし」と不満を漏らす警官も。

 なお、台北市警察局交通大隊によると、罰金未納で行政執行処送りとなったケースは2008年の2万5,161件から09年には9万3,853件に激増。不況の影響が顕著に現れている。