プロ野球の八百長疑惑をめぐり、管理責任を問われて先週兄弟エレファンツの監督を解任された元阪神投手の中込伸氏が２日午後、桃園国際空港から出境しようとしたところ、検察に身柄を拘束された。検察は同氏が賭博グループから不当な利益を得ていた疑いがあるとして調べを進めている。３日付蘋果日報などが報じた。
中込氏は２日夜、手錠を上着で隠した状態で、台北市調査処偵訊に身柄を送られた。検察は法務部を通じ日本の当局に事件を通知した（２日＝中央社）
中込氏は空港で「日本に帰って仕事をしなければならない。出境禁止になっていたとは知らなかった」と話しており、事件への関与も否定しているという。
蘋果日報によると、検察は先週八百長に関する捜索を開始した当初から中込氏の関与を疑っており、一部容疑者から同氏が賭博グループから接待を受けていたとの証言が出たことから30日に出境禁止措置を取った。検察が２日正午ごろ中込氏に電話で出頭を求めたところ、同氏は「忙しい」と答え電話を切ったという。その直後に空港へ向かったとみられる。
中込氏は2002年、兄弟エレファンツに投手として加わり、その後投手コーチを経て、今年５月に監督就任、チームを台湾シリーズへ導いた。
