ＩＣ設計最大手の聯発科技（メディアテック）は、マイクロソフト（ＭＳ）のＯＳ（基本ソフト）を搭載したスマートフォン向けチップモジュール「ＭＴ6516」の小規模な出荷を今月から開始する。単価は100米ドル前後に抑えられる見通しで、中国のノーブランド携帯電話（通称山寨機）業者を含む多くのメーカーが関心を示している。量産開始は来年第１四半期の予定だ。３日付工商時報が伝えた。
このほか、ＧＳＭ／ＧＰＲＳ用のシングルチップ「ＭＴ6253」とチップモジュールは10月から出荷が始まり、来年第１四半期から大量出荷体制が整う。同チップは65ナノメートル製造プロセスの採用で、コストが30～40％低下する見通しで、既存の「ＭＴ6225」と比べ価格が20％以上安いのが特長。このため、メディアテックは価格戦に打って出ても、高い粗利益率を確保できる見通しだ。
同社はスマートフォン向けのチップの出荷量が来年第２四半期以降、大幅に増えるとの見通しを示しており、証券会社は「スマートフォン向けチップとチップモジュールがメディアテックの来年上半期の業績を支える主要な動力源になる」とみている。
