行政院衛生署が米国産牛の内臓、ひき肉の輸入を事実上阻止するため、貿易障壁を設ける行政措置を導入したことについて、米通商代表部(USTR)と米農務省は3日、一連の措置は米台間の合意に反するとして、「台湾当局が合意内容を守り、米国産牛肉に対し完全に市場を開放することを期待している」との声明を発表した。4日付自由時報が伝えた。
台北市は3日、今年の国際牛肉麺フェスティバルの記者会見を行った。時節柄、豪州産牛肉を使用するよう規定した(3日=中央社)
声明は「米台間の合意は2年間の交渉と科学技術交流を経たもので、台湾側が発表した合意内容は科学的根拠があり、国際獣疫事務局(OIE)や台湾の牛肉安全リスク評価に基づいている」と指摘。その上で、衛生署の行政措置について、「米国は一連の措置が合意内容と国際基準に合致しているか、台湾の消費者の選択権を制限していないかなどについて検討している」とした。
一方、呉敦義行政院長は同日、「米国側が動けないという強い自信がある。米農務省の品質認証(QSA)がないひき肉に輸入許可証を出さないと部分はとても有効だ」などと述べ、衛生署の行政措置の有効性をあくまで強調した。
立法院でも同日、与野党が今月17日までに食品衛生管理法改正で米国産牛肉の輸入を制限する方針を確認し、改正案成立前であっても米国産牛の内臓、ひき肉などの輸入は禁止すべきとの考えで一致した。
馬英九政権は米国との摩擦と立法院の突き上げによる板ばさみとなり、今後対応に苦慮しそうだ。